留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

このページは2024年に調査した内容を掲載しています。

オーストラリアには41の大学があり、そのうち国立大学は37校、私立大学は3校、私立国際大学は1校です。「QS世界大学ランキング2024」によると、そのうちの9校が世界トップ100大学にランクインしており、オーストラリアにある大学の95%が世界大学ランキング入りしています。またオーストラリアには、州立のTAFE(Technical and Further Education)をはじめとする高等専門教育機関(専門学校)があり、マーケティングやアート、ファッションなど、その後の就職に備えた実践的な教育を行っています。

オーストラリアでは、学士号(3~5年、学部によって異なる)、優等学士号:Honours(1年)、修士号(1~2年)、博士号(3~4年)の取得が可能です。また学位以外の取得可能資格としては、グラデュエート・サーティフィケート(半年)、グラデュエート・ディプロマ(1年)、アソシエイトディグリー(準学士号、2年)があります。

シドニー大学などの総合大学では、芸術と社会科学、建築、デザイン計画、ビジネス、経済学、教育・福祉、工学およびコンピューター科学、法律、医学・健康、音楽、科学といった幅広い分野のコースを提供しています。文系の専攻は3年制ですが、理系の専攻で4年制のコースもあります。

オーストラリアでは、大学などの高等教育機関への進学を希望する留学生のためのパスウェイ(Pathway)を設けています。希望する進学先の入学条件を満たしていない場合に、どのような選択肢があるのかを指し示す「道(パス)」を提供するものです。
パスウェイのオプションとしては、英語コース(ELICOS)、専門教育機関(Vocational Education and Training:VET)、ファウンデーションスタディー(大学進学準備コース)など様々な選択肢がありますが、いずれも留学生それぞれの希望するコースへの入学要件を満たすようスキルアップを手助けするものです。パスウェイプログラムの中には、進学先のコースで単位が認定されるものもあり、パスウェイプログラムの受講期間を含めても、コースに直接入学した場合と同じ期間で卒業できる場合もあります。
オーストラリアにおける主なパスウェイは以下の通りです。
 
ファウンデーションコース(大学進学準備コース):大学や他の高等教育機関の学士課程に入る準備をするもので、期間は6か月~1年。進学のために必要なアカデミックスキルと知識を身に付けることを目的とします。希望の大学構内で行われることも多いため、大学等への移行もスムーズにいくという利点もあります。
 
オーストラリア高校留学:現地の高校にシニアセカンダリースクール(11および12年生)から2年間留学して、必要な単位をすべて取得すると、オーストラリア高等教育入学ランク(ATAR)スコアが与えられます。これらのスコアは、多くの高等教育機関のコースに直接入学するために使用できます。
 
州立高等専門教育機関(Technical and Further Education:TAFE)または高等専門教育機関(VET)のコース:このコースは、専門分野の具体的な知識を身に付けることを目的としており、在学中に業界に関連するスキルを得ることができ、就職活動の際に役立ちます。また入学時に求められる英語力が大学よりやや低いため、大学に進学したいが、英語力に自信がないという人には、高等専門教育機関で専門を学びながら英語力をつけたのち、大学への編入もできます。期間は6か月~3年です。

英語コース(ELICOS):集中英語コース(English Language Intensive Courses for Overseas Students:ELICOS)では、高等教育機関進学のための入学要件を満たすため、英語のスキルを向上させるためのもので、一般英語、専門英語、または学術英語のクラスがあります。期間は5週間~1年です。

ブリッジコース:現地の高校で12年生修了後、希望する高等教育機関への準備コースとして受講することがあります。期間は6か月~1年です。

オーストラリアの大学の学費は、平均して学士課程では20,000~45,000豪ドル/年(地域や学校・コースにより異なる)、修士課程では22,000~50,000豪ドル/年(同様)、博士課程では18,000~42,000豪ドル/年(同様)となっています。

例として、モナッシュ大学では、ファウンデーションイヤー(大学進学準備コース)があります。期間は10か月~18か月で、毎年1月および7月にコース開始します。学費は35,200~47,600豪ドルとなっています。一般の学部課程の例として、フェデレーション大学では、経営学/学士課程27,610豪ドル/年(2024)、メルボルン大学では、文学士課程39,080~44,868豪ドル/年(2024)となっています。

希望する地域および大学、コースを選択したのち、希望の大学のウェブサイトにて、コースの期間や、学費、開始日、入学に必要な要件などを確認します。レベルは大学や学部によって異なります。留学生の場合、オーストラリアの高校修了資格と同等の入学要件を満たすには、ブリッジプログラムと呼ばれるファウンデーションコースを受講するのが一般的です。コースの申し込みは、直接大学のサイトからオンラインから出願するか、メールにて願書書類を請求して応募することができます。その際に日本の高校での成績または学力を証明するもの、およびIELTSなどの英語の語学力を証明するものが必要になります。大学側が出願書類を審査する数週間の後、審査に合格すると入学許可証と入学承諾書が届きます。学費支払い後、学生ビザを申請します。

出願時期については、例としてメルボルン大学の場合、2月スタートのセメスター1については、前年11月30日まで、7月スタートのセメスター2については、5月31日までに出願する必要があります。
 

オーストラリアの大学留学においては入学試験が必要なく、成績証明書や語学力を証明するスコアなどによる書類選考で審査します。

Study Australia Industry Experience Program (SAIEP)プログラム概要
オーストラリア留学業界体験プログラム(SAIEP)は、オーストラリアの大学に留学している学生、およびオンラインでオーストラリアの大学で勉強している留学生に、オーストラリア政府が提供しているプログラムです。留学生が高等教育機関卒業後に、オーストラリアでの就職の可能性を高めること目的として、実際の業界プロジェクトに参加する機会を提供しています。この無料プログラムは、留学生をオーストラリア国内および国際的な雇用主と直接結びつけると同時に、留学生同士のオーストラリア国内での交流やオーストラリア人学生と交流を促しています。
現地の日本人との交流の場としては、シドニーの日本人会があります。
オーストラリア教育省の2023年統計によると、学生ビザを申請した人の国籍は以下の通りです。
①中国(16万6,420人)、②インド(12万6,487人)、③ネパール(6万2,379人)、④コロンビア(3万9,724人)、⑤フィリピン(3万5,589人)、⑥ベトナム(3万2,948人)、⑦タイ(2万5,887人)、⑧ブラジル(2万4,985人)…⑯日本(1万1,639人)

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。