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ハンガリー高等教育機関は大学（egyetem）とカレッジ（főiskola）の 2 種類に分かれますが、どちらでも学士課程、修士課程、博士課程のコースが提供されています。国立と私立の区分の場合、国内には6 つの国立の高等教育機関と37 の私立高等教育機関があります。
学士は3～4年で、修士は1年半～2年、そして博士が4年の修業年限となります。
 

どの大学でも多様なコースを提供しており、その数は700にも及びます。ハンガリーの特徴として、英語のみならずフランス語やドイツ語などの言語で授業が行われています。
 
コースの例

• ペーチ大学：経営経済学部、工学・情報工学部、人文社会科学部、法学部、音楽・視覚芸術学部、など
• デブレツェン大学：食品工学、経営・マーケティング、英語学、コンピューターサイエンス、生物学、物理学など

国立大学を例に挙げると、ペーチ大学（学士）は経営学が5,500ユーロ、心理学が7,800ユーロ、生物学が5,000ユーロなどで、5,000～8,000ユーロ（約80万～120万円）の間が一般的です。デブレツェン大学（学士）はコンピュータサイエンスが年7,000米ドル、心理学が6,000米ドル、数学部が6,500米ドル、医学部が16,900米ドルとなっており、大半の学部であれば6,000～7,000米ドルほど（約95～100万円）で、医学系のみ通常の2～3倍の費用がかかると考えて良いでしょう。
私立大学に関しては、例えばセントラルヨーロピアン大学では年間で一律8,000ユーロ（約125万円）、ブタペストメトロポリタン大学では学部によって7,000～10,000ユーロ（約100～155万円）がかかります。
 
大学院に関しては、ペーチ大学で文系、理系ともに5,000～8,000ユーロ（約80～125万円）で、セントラルヨーロピアン大学では、12,000～15,000ユーロ（約190～240万円）、ブタペストメトロポリタンでは学部と大差はなく、年間7,000～10,000ユーロ（約100～155万円）です。
 
私立の大学の方が高い傾向にはありますが、医学系を除けば、国立・私立、学部・大学院問わず大体100万円前後となっています。
 
なお、交換留学の場合は所属先の大学の学費のみとなりますので、留学先の学費は不要です。

共通の出願サイトは存在せず、各大学のホームページよりオンラインで申請をします。学部によって提出書類や入学基準が異なる場合がありますので、一般的な情報だけでなく学部のホームページも確認するようにしましょう。
 
一般的な提出書類は高校卒業証明書、成績証明書、（必要ならば）英語力証明書、身分証明書、履歴書、健康診断書などです。大学院の場合はこれに加えて、志望動機書や研究計画書、推薦状などが必要になってくることが多いです   。
※ハンガリー語がわかる学生は FELVI system　[ハンガリー語]というサイトからオンラインで申請するほか、直接書類を郵送する方法もあります。

大学または学部によって試験の有無、語学力等の出願資格の有無も異なりますので、希望する大学、学部のホームページを入念にチェックしましょう。
 
例えばペーチ大学では、書類審査を通過するとスカイプによる面接があります。デブレツェン大学では、医学系の学部には必須で試験が課されていますが、それ以外の学部に関してはありません。また、非英語圏出身の学生に対するTOEFLやiELTSによる英語力証明は医学部系の学部以外には定められていません。

農業、工学、経済、自然科学、情報科学の分野ではDual educationと呼ばれる一種のインターンシップ制度が提供されています。これは学生が大学に在籍しながら、数ヶ月間企業で働く機会を得られるもので、企業の組織の中に入って実践的な経験を積むことができます。これによって社会人としてのキャリアの第一歩を踏み出すことができ、就職活動に大きなアドバンテージが得られます。
Dual educationを採用している大学の例として、オブダ大学やブダペスト経済経営大学が挙げられますが、全ての大学・全ての学部で行われているわけではないので、興味がある人は「大学名dual education」などで検索してみましょう。
 
大学、学部がDual educationを提供していない場合でも、一般的なインターンシップを採用し、単位換算にも利用できるケースはあります。詳しくは各大学、各学部のホームページを参照するほか、大学にあるキャリアオフィスへ問い合わせをすることで多くの情報が得られるでしょう。
またStipendium奨学金を利用している学生は、多くの場合インターンシップを行うことが義務付けられています。Alumni Hungary  [英語]という同窓会ネットワークから情報が得ることができますので登録をしておくことをお勧めします。

ハンガリー同窓会ネットワークをはじめとして、多くの学生団体が存在しています。

ハンガリー同窓会ネットワーク  [英語]
かつての同級生や母校と交流したり、再会したりするだけでなく、インターンシップ情報も得られます。

AEGEE（ヨーロッパ学生フォーラム  [英語・ハンガリー語]
サマー大学プログラムと呼ばれる、言語や文化、政治など多様なテーマで短期講座を提供しています。

International Diplomatic Student Association  [英語]
国際関係や外交に関心のある大学生を対象にした学生団体。国際関係や外交に関する講義やディスカッションを通じて知識を深めることを目的としています。

日本ハンガリー友好協会  [日本語]
 
日本人との交流であれば日本人会の情報をチェックした方が良いですが、ヨーロッパの様々な学生と触れ合えるネットワークが多くありますので、それらを利用することで幅広い人脈ができ、貴重な留学生活が送れるでしょう。

2022年のデータによるとドイツ(3,383人)がもっとも多く、ルーマニア（3,067人）、中国（2,492人）、イラン(2,205人)、セルビア（1,960人）、スロバキア（1,776人）と続きます。近隣のヨーロッパ諸国からの留学生が多い傾向にあります。