留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 日本にある代表機関を通して留学

20代 男性

  • 学校名:パラツキー大学
  • 都市名:オロモウツ
  • 専攻名:医学部
  • 留学期間:2015年9月~2021年6月(予定)
  • 留学形態:日本にある代表機関を通して留学
  • 奨学金:なし
留学に至った動機
元々医学部志望でしたが、家の都合で工学部に進学しました。しかし、大学で専門を選択するときに迷ったこと、ちょうど大学に在籍していた2011年に東日本大震災があり、色々と考えたことがきっかけとなり、再び医学部を目指すことにしました。
最初は日本国内の私立大学の編入試験に合格しましたが、学費が非常に高かったことから、改めて医学部への入学試験を受けることにしました。しかし、医学部受験で思った成果を出すことが出来ず、もともと存在を知っていた日本にある代表機関を利用しての留学を決めました。
留学先(国、大学)を選んだ理由
当時はハンガリーに比べてチェコの方が学費が安かったことがチェコ医学部への進学を決めた理由の一つです。
パラツキー大学以外にもスロバキアのコメニウス大学にも合格しましたが、コメニウス大学の受験のためにスロバキアのブラスラバを訪問した際に、町の雰囲気が合わないと感じたことから最終的にチェコを選びました。ブルガリアにも医学部はありますが、進学するためには高校の時に生物を受講することが必須だったため、受験できませんでした。
留学前の準備
留学前の準備として、日本にある代表機関が開講する予備コースに4月から通いました。
持っていって便利だったもの、不要だったもの
留学した当時はタブレット端末が主流ではなかったため、電子辞書が役に立ちました。現在はタブレット端末があるため、辞書はそちらで充分だと思います。
留学には自分にあった文房具(ボールペン、蛍光ペン、ノートなど)を持っていくとよいかもしれません。チェコにはペン先が細いボールペンがなく、多くは0.5ミリメートルか0.7ミリメートル芯です。
逆に持っていく必要がなかったと感じているのは、日本語の医学書です。低学年のうちは日本語の医学書は使う機会はなく、情報もネットで検索が可能な他、今はアプリもあります。また、留学してからは時間がなかったため、英語の勉強道具も使いませんでした。
生活で便利なのは電子レンジでご飯が炊ける道具です。食品関係については、チェコで買えない日本の食品を調べた上で、売っていないものを買うのがいいと思います。味噌汁や醤油は現地でも買うことができる一方で、味噌単体では売っていません。その他、カレーのルーやレトルトパウチはあると便利です。
留学前の情報収集方法
今の日本にある代表機関を利用する前に、他の代表機関を利用して海外医学部に進学したものの、卒業できずに帰ってきた人たちの体験記がインターネットで公開されていたため、それを購入し読みました。
チェコやオロモウツなど現地の情報については、あまり手に入れることができませんでした。そもそも入学試験のことで精いっぱいだったため、現地の情報を収集する時間もありませんでした。
留学前・留学中の語学学習方法
<英語>
日本の大学で学んでいた時から、英語には真剣に取り組んでいました。また留学前に英語の参考書(「表現のための実践ロイヤル文法」)を一冊読みこんでおり、英語での授業に役立ちました。
留学中は逆に英語で授業を受けるものの、英語そのものの授業はなく、英語については、スピーキング、リスニング、リーディング能力は伸びたものの、医学英語分野に特化しており、他の分野の語彙力や文法についてはあまり変化はありません。
 
<チェコ語>
チェコ語については、留学前には勉強していませんでした。大学では3年次まで週2コマのチェコ語の授業があり、2年次までは文法をメインに、3年次ではコミュニケーションを中心に学びます。
現地学校への問い合わせ、出願
大学への問い合わせや出願に必要な書類については日本にある代表機関の方が分かっているため、任せていました。
入学試験と試験対策
元々スロバキアのコメニウス大学を受験するつもりで受験勉強を進めており、当時のコメニウス大学の場合は、生物・化学などの問題800問から問題がでる、というものだったため、試験問題の内容を暗記しました。
最近ではチェコの医学部でも入学試験が難化しており合格しにくいと聞いています。
滞在許可の取得
留学する際に日本でチェコのビザの申請を行ったところ、取得に時間がかかり、出国までに間に合いませんでした。
チェコでは大学に移民局の予約を取ってもらいます。予約の日までに必要書類の準備を行うことができるので、チェコで滞在許可証の更新を行う方が時間に余裕がありました。かかる時間としては春に滞在許可を申請し、夏ごろに受け取ることができます。
費用
  • 学費:1万ユーロ/年
  • 日本にある代表機関への納付金:代表機関に確認のこと
今はアパートに住んでいて、家賃は50,000円(水道、光熱費込み)程度、家賃も含めた生活費は、約100,000~150,000円/月です。アパートではなく大学の寮に住んだ場合の家賃は約10,000~20,000/月になります。
チェコに住む際に、チェコの銀行口座の開設が必要だったため、現地の口座を作りました。今はその現地口座へ半年に一回送金してもらっています。送金してもらうタイミングはビザの更新や、為替レートが有利な時などその時々で異なります。
健康管理
<健康保険>
チェコで滞在許可を得るときに必要なため、チェコの保険に加入しています。日本の留学保険などには加入していません。
<予防接種>
必須であった肝炎の予防接種については現地でも受けることが可能だったため、日本で1回目、チェコで2回目と3回目を受けました。
<健康診断>
健康診断は、留学前に抗体検査を受けたほか、チェコでも1回受けました。
学校生活
パラツキー大学では、1年次と3年次が大変です。1年次ではすべての単位を取らないと退学になります。3年次の場合は暗記が必要で内容が難しい科目を学ぶことになります。
大学では講義については欠席する学生が多い一方で、実習の参加は必須となっています。授業はすべて英語で行いますが、先生はチェコ人のため、英語力は先生によって様々です。
5年次の現在はチェコの国家試験を含む11科目を受講しています。チェコの医師免許は全ての国家試験の合格後、卒業と同時に得ることになります。
日本人は1・2年次では一学年に5人程度、上の学年になると2・3人です。全く日本人がいない学年もあります。他の国からの留学生とは授業の中で必然的に交流する機会がありますが、かなり若い人が多い印象を受けます。
授業以外の活動
日本の大学のように部活はありません。
パラツキー大学の日本語学科のチェコ人学生と知り合い、彼らとよく遊びに行くなど交流しています。
その他、授業がない時はジムやキックボクシングに通っています。大学の合唱団に所属していたこともありました。
 
食事・住居
<食事>
外食することが多いです。大学の食堂や宅配サービスを利用しています。レストランはチェコ人がやっているレストランの他にもベトナム料理屋さんやファストフード店もあります。
<住居>
住居については、最初に入居した大学寮での生活が大変だったため、現在はアパートを借りて住んでいます。ただ、1年次は大学を退学となる可能性も高いため、1年次からアパートを借りるのは難しいです。
現地の治安状況・注意したこと
特に問題はなく、危ない場所に近づかなければ、夜出歩くのも問題ありません。
生活の中での使用言語
大学では英語を使用していますが、普段の生活では一定の年齢以上の人はチェコ語しか話せない人が多いです。また、若者でも英語を話せる人と話せない人の差が大きいと感じます。スーパーやバスの中では、チェコ語を使う場面の方が多いです。
通信
<携帯電話>
携帯電話については月契約で約3,000円程度、月10ギガバイト程度の通信量を使用できるプランを契約しています。学割は26歳以下の学生が対象で、約2,500円になります。
<Wi-Fi>
インターネットについては、2,500~3,000円/月を支払っており、動画の閲覧など問題なく使用することが出来ます。大学寮には無料のWi-Fiがあります。
気候
空気が乾燥しており、朝と昼の寒暖差が大きいです。冬は一番寒い時にはマイナス20度くらいまで気温が落ち込み、夏には一番暑い時で40度くらいまで上昇します。
異文化理解・交流
授業の中で倫理的な話題を取り扱うときに、宗教の違いを感じます。
また、言語的なニュアンスの違いとして、例えば「お酒」という単語の中にはビールは含まれていない、など文化の違いを感じました。
現地での各種相談先
基本的には大学のチューターの先生に相談しています。チューターの先生たちは忙しいのですが、薬の処方や保険関係の相談、またチェコ語通訳の紹介やトラブル先への電話にもメールや電話で相談すると対応してもらえます。
その他、滞在許可関係については教務課に、授業については大学のオフィスアワーを利用しています。それ以外にチェコ語が必要な際にはチェコ人の友人に助けてもらうこともあります。
日本にある代表機関については、現地に事務所がないことから、現地でも問題について相談することはあまりありません。ただ、日本の書類が必要な時に対応してもらうことはあります。
基本的には大学のチューターの先生に相談しています。チューターの先生たちは忙しいのですが、薬の処方や保険関係の相談、またチェコ語通訳の紹介やトラブル先への電話にもメールや電話で相談すると対応してもらえます。
その他、滞在許可関係については教務課に、授業については大学のオフィスアワーを利用しています。それ以外にチェコ語が必要な際にはチェコ人の友人に助けてもらうこともあります。
 日本にある代表機関については、現地に事務所がないことから、現地でも問題について相談することはあまりありません。ただ、日本の書類が必要な時に対応してもらうことはあります。
日本の病院とチェコの病院の違い、チェコの医師の印象
チェコの病院・医師共に合理的、という印象があります。授業でも教えるべき部分を教えたら、予定の時間よりも早く授業が終わることもあります。診察においても長時間勤務はせずに、朝が早く、夕方には仕事を終えています。
チェコの医師には賃金の問題があり、新任医師の給料は安いため、給与がチェコの3~4倍高いとされているドイツで医師になる人が多いです。
また欧州では、日本のような研修制度はなく、卒業と共に就職、勤務をし、専門医の研修に進みます。
留学後の進路(予定)
初期研修は日本で実施する予定ですが、その後については海外での勤務も視野に入れています。
2年次終了時の試験対策、口頭試問の対策
パラツキー大学では3年次の方が試験が大変です。3年次には暗記量の多い、病態生理学、病理学を受講します。
病態生理学については、マークシート形式の筆記試験を突破した後に、口頭試問があり、課題の150問から2~3問が出題されます。病理学ではスライドを見て、何の病気かを答える問題を100問程度暗記する必要があります。口頭試問ではポイントをちゃんと説明できるかが重要となります。
試験対策としては、過去問題を先輩からもらって対策を行いました。また病理学については、教科書が1,500ページもあり、読み終わらないため、日本語の参考書を読んだり、先輩がまとめたノートをもらったりして勉強しました。
臨床実習先の探し方
自分で探す方法と、日本にある代表機関に紹介してもらう2つのパターンがあります。私は3年生の時は自分のツテで探した病院へ実習に行き、4年次の実習では外科をパラツキー大学で、小児科を日本にある代表機関から紹介してもらった病院で実施しました。自分で探した実習先だと、日本と海外の大学で勝手が違うため揉めることもあります。
日本での国家試験に向けて苦労したこと、アドバイスなど
国家試験については、大学卒業前に勉強したほうがいいか検討しているところです。
医師になるまでの年数(見込み)
最短で7年です。
就職活動の開始時期とその方法
私は4年の夏から開始し、レジナビに行きました。
海外の医学部に通う学生には日本で就職活動を行う余裕があまりありません。6年次から就職活動を始めたところ、時間がなかったために希望の病院にエントリーできなかった先輩もいます。4年次であればある程度医学の知識も身についているので、始めるのにいい時期であると考えています。
後輩へのアドバイス
海外医学部にあまり夢を持ちすぎない方が良いです。どうしても海外の医学部で学ぶ必要がある、学ばざるを得ないなどの強いモチベーションがないと卒業を迎えることが難しいです。また日本で医師となることを目指す人にとっては、日本での正規ルートを捨てる覚悟を持つ必要があるため、その覚悟ができない場合は日本の医学部を目指す方が良いと思います。

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