留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 私費留学

Fさん(30代女性)
都市名:ゲント
学校名:School of Arts Gent (Conservatorium van Gent)
専攻名:音楽学部オルガン専攻
留学期間:2013年9月~2017年6月
取得(予定)資格・学位:学士号
留学形態:私費留学
留学の動機
なぜベルギーに留学しようと思いましたか?他国との比較、決め手になったことなどお答えください。
フランス語を話す地域もあり、フランスに住んでいた私には親しみ深く、音楽大学組織がしっかりしていて、日本に帰国しても学位が役に立つと思ったためです。
高校卒業後、フランスに留学し、大学学士号の学位がないことが私にとって何かと不利で、大学学士号の学位が今必要でした。
留学前の準備期間、言語の勉強方法
留学を思い立ってから実際に現地へ出発するまで何か月くらいの準備期間が必要でしたか?
事務的には3カ月くらい。私の場合は個人的に1年以上かかりました。音楽の演奏の準備に時間がかかりました(一度音楽を止めたため、留学前にたくさん練習が必要だった)。
 
準備期間中にいちばん大変だったこと、時間は十分だったかをお答えください。
ベルギー滞在への学生ビザ取得のための手続きがとても大変でした。日本に帰国してビザ取得に時間がかかり、学校を2週間以上休みました。時間はやや不十分だったと思います。
 
留学前にフランス語またはオランダ語または英語をどのように勉強しましたか?
フランス語は、高校卒業後にフランスに留学していたので中レベルくらい出来ていて(コミュニケーションに困らない程度)、オランダ語は現地で留学を始めてから同時に始めました。英語は、日本で高校まで勉強した程度で、ラジオ講座で少し慣れていました。
 
語学学習において、どんな勉強方法が一番効果的だと思いますか?
現地の友人と良くコミュニケーションをとる。語学学校。ラジオを聴く。
私の語学学習はあまり成功していないので、言うのは難しいのですが、音楽との両立は結構大変なので、夏の集中講座などがいいと思います。
情報収集方法
どのようにしてベルギー留学について情報収集しましたか?
フランスで行われるオルガンアカデミーに参加した際、ベルギー音楽大学で教師をしている人と知り合ったのがきっかけ。
現地学校への問い合わせ
学校へはどのような手段で連絡を取りましたか?また、具体的な質問内容を差支えない範囲で教えてください。
eメール。また、受験する前の夏のバカンスに直接学校を訪問した。質問内容は、年齢制限があるか、語学試験があるかなど。
 
連絡の際に困ったことはありましたか?
夏休みに連絡が取りたくても、事務所が閉まってしまって長い期間連絡が付かないことが困りました。
出願
出願時に提出した書類と、提出方法を具体的に教えてください。
直接持参しました。提出書類は、願書、高校卒業証明書、高校成績証明書、戸籍抄本、履歴書、パスポートのコピー。
 
出願から正式な入学許可書を受け取るまでに苦労したことはありましたか?それをどのように解決しましたか?
エキバランス(equivalence/同等化):日本の高校卒業証明書がベルギーの高等学校の卒業と同じであるという証明をもらうのがとても大変でした。フランス語圏では成功せず、思い切ってオランダ語圏で試したら成功しました。日本の高校に直接問い合わせ、英語で高校の先生にベルギーの大学で勉強をする能力があるという証明を書いてもらい、解決しました。
入学試験
入学試験を受けましたか?またその教科や内容を教えてください。
実技試験:オルガン演奏(最長30分)
筆記試験:楽典、聴音など
面接:5~10分程度のインタビュー
ビザ・居住の許可の取得
ビザ(査証)を取得しましたか?申請から取得まで、どのくらいの時間がかかりましたか?
日本に帰国し、約1カ月程度かかりました。
 
ビザ(査証)の取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点も教えてください。
必要な書類は無犯罪証明書、健康診断の証明書。ビザ取得のために、保証人と一緒に大使館に行かなくてはいけなかったので、大変だった。
 
滞在許可を取得しましたか?取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点や申請から取得までにかかった時間も教えてください。
“BIJLAGE32”という書類(保証人の書類)か、預金残高、奨学金が十分にあるという証明が良く理解できず、一カ月くらいかかりました。その他、入学証明書、ベルギー住所証明書が必要でした。
学費、生活費、お金の送金・管理方法
留学中にかかった学費(+諸経費)の総額はおよそいくらでしたか?どのような支払方法が便利でしたか?
学費は年間800ユーロ(10.4万円程度)。支払い方法は銀行振込.
 
学費以外の生活費の、1か月平均額または留学期間全体の金額、及び内訳を教えてください。
1ヶ月およそ800ユーロ(10.4万円程度)。
内訳:
住居費400ユーロ(5.2万円程度)(光熱費込み)
食費200~300ユーロ(2.6~4万円程度)
娯楽費50ユーロ(6500円程度)
教養100ユーロ(1.3万円程度)(楽譜、コンサートなど)
 
学費、生活費をどのように捻出しましたか?
留学前に3年ほど仕事をして貯金したものと、遺産で少し補てんした。
 
お金をどのように管理していましたか?現地で銀行口座を作った場合、どのような手続きをしましたか?
ING銀行に口座を作りました。滞在許可証が既にあったので、口座はスムースに作れました。
 
日本からの送金が必要な際、どのように送金してもらいましたか?
ING銀行の口座に直接送金。
健康管理
どのような保険に入っていましたか?留学先校など現地で保険の指定はありましたか?
日本の保険会社の旅行保険。ベルギーで指定の保険はなかったので、Euros Mutuelleに現地で入りました。
 
日本またはベルギーで予防接種・健康診断を受けた場合、その内容を教えてください。
日本で留学前に受けた。内容は尿検査、血液検査、身長体重など。
 
現地の医療サービスを受けましたか?またその場合、気をつけるべき点があれば教えてください。
気をつける点は特にないですが、こちらで一般以外の専門医にかかりたい場合、予約が一カ月以上先になってしまうのが大変です。
学校生活
予習・復習での工夫や苦労した点があれば教えてください。
私が留学した2013年以降は授業の知らせがインターネットで表示され、プリントも全てインターネット経由でしたが、高校時代やその後はまだインターネットが普及していなかったので、慣れるのが大変でした。
 
試験やエッセイ・レポート対策について、工夫や苦労した点があれば教えてください。
演奏試験は自分の実力を発揮できましたが、その他の筆記試験は語学のハンディで大変でした。
 
授業やレポートにおいて、語学上・学習上のサポートはありましたか?
普通はなく、親切な教師にあたると少しサポートしてくれました。
 
学校の施設は充実していましたか?
カフェは、場所はあってもコーヒーのみ。セルフサービスでもっと充実したカフェ、売店、食堂がほしかった。
 
学校全体やクラスで、現地の学生・外国人留学生・日本人留学生の割合、学生の年齢層はどのようでしたか?
自分以外日本人はいなかった。全体の5~10パーセントが外国人留学生。
 
現地の学生・外国人留学生と交流できましたか?その方法や得られたこと、大変だったことがあれば教えてください。
授業の内容を現地の学生に助けてもらう、外国人留学生との英語でのコミュニケーション、食事をする、コンサートに行くなど。日本人の察する細かい心遣いはないこともあって、友人関係も時には難しい。
 
日本人留学生との交流はできましたか?
なし。
 
指導教官とのやり取りでよかったこと、大変だったことはありましたか?
なし。
食事
普段はどのように食事をされましたか?現地の食事・飲料水・食材で苦労したこと、気をつけたことはありましたか?
自炊、学食、サンドイッチを買うなど。
日本のように手軽に安いレストランで食べたり、コンビニで買ったりできないのが大変だった。買うとしたらサンドイッチ類くらいしかなく、米や野菜を取ろうと思うと、忙しくても自炊しなければならない。
 
日本の食材を手に入れることはできましたか?日本から持参すると良い食材があれば教えてください。
日本風のジャポニカ米、のり、みそ汁のもと、醤油はベルギーのスーパーに売っていました。
魚は高く、種類が少ないです。
住居
留学中、どんな住居に住んでいましたか?その特徴とともに教えてください。
一年目は学生用のスタジオ。二年目は女性の学生・社会人たちが共同で住むカトリックの主催する施設のようなところ。
 
住居を決めた際の基準や、探した方法を教えてください。
高すぎない家賃、外国人学生を受け入れる大家、安全な場所が条件。一年目は歩いていて偶然見つけ、二年目からは友人の紹介。
 
住居でトラブルはありましたか?あった場合、どのように対処しましたか?
一年目に、夜中に騒音が時々あった。大家に言っても対処法は見つからず、直接言っても難しかったので、二年目からはカトリックのシスターが責任者をしている共同の寮に移った。
現地の治安状況・注意したこと
現地の治安状況についてどのように情報収集しましたか?
インターネット。学校入学前の旅行。
 
居住地域の治安状況を教えてください。治安状況を踏まえて気をつけた点について教えてください。
治安は悪くない。ゲントのセンターで、友人に紹介してもらい、そこに住む人を何人か知っていたので、問題ないと思った。
 
犯罪に巻き込まれたことはありましたか?その際どのように対処しましたか?
iPod Touchを盗まれ、警察に届けた。
通信
通信機器は、日本から持参されましたか?学校や居住施設での利用はいかがでしたか?
PCはよく利用できる。携帯電話は現地で購入。iPod Touchは役に立つが、ここでは盗難が多く二回紛失したので注意が必要。
 
現地で上記の通信機器やインターネットを利用した際、機器・プロバイダの選択や手続きはどのように行いましたか?
アパートでは有線のインターネットを繋げました。
気候
日本との気候の違いに対して心がけた点を教えてください。
秋ごろは朝夕がとても寒く、昼間は暖かいので、なるべく軽くかさばらない上着を持って、昼間は上着が邪魔にならないようにする。冬は日照時間が少ないので、太陽が出る時は外に出て出来るだけ光を浴びるようにする。
現地生活状況・各種相談先
現地購入できて役に立ったもの、日常品で重要なものがあれば教えてください。
特に無し
 
学校内・学校外で問題があったとき、誰に相談しましたか?
教会関係の目上の人や神父さん、シスター。
 
住居などについて支援を受けられるような学生互助会(自治会)などはありましたか?その支援を受けましたか?
なし。
 
現地の人(学生に限らず)との文化的摩擦、トラブルの経験や、異文化の中で気をつかった点はありましたか?
何日かある家庭にお世話になった時、食文化が異なることが大変でした。また、日本だとこちらが言わなくても相手は察してくれることがありますが、現地では何度もはっきり発言しなくては伝わらないようなことが多いです。
帰国後の進路/留学と進路との関係
現在の所属について、差し支えない範囲で教えてください。
学士課程2年。
 
留学前・留学中・留学後のいつ、就職活動をされましたか?
留学前。父の滞在するタイの会社にコネがあった。
 
留学経験は進路決定に影響しましたか?また、留学経験は現在の仕事・学業にどのようにいかされていますか?
留学で音楽の充実した勉強をし、日本に帰国したら音楽大学の教授になりたい。また、個人で音楽を教えるにしても、ヨーロッパで学んだオルガン音楽、ピアノ、和声はとても貴重で役に立つと思う。
後輩へのアドバイス
日本にいる間にしておけば良かったことや、留学先にベルギーを選んで良かったと思うこと、期待とは違ったことなどを踏まえて、これから留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いいたします。
ベルギーは、フランス語圏とオランダ語圏、ドイツ語圏が入り混じって、ヨーロッパの様な雰囲気を味わえるいい所です。気候は、冬が長くて雨がしょっちゅう降り、太陽があまり昇らないのが、私にとっては大変です。
留学中の1週間の授業時間割
時限
1 (9時00分~10時30分)   和声実践 音楽史 和声  
2 (10時30~12時00分) 即興 音楽家のための体操       
3 (13時00分~14時00分)       室内楽 室内楽
4#1(14時00分~15時00分)     合唱   哲学
4#2(13時30分~16時30分)   パイプオルガンレッスン(個人)      
5 (18時00分~21時00分)   オランダ語語学学校    オランダ語語学学校  

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文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。