留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 私費留学

Kさん(40代女性)
都市名:ゲント
学校名:ゲント大学
専攻名:経済学企業経営学科
留学期間:2008年9月~2010年9月
取得資格・学位: 修士
留学形態:私費留学
留学の動機
なぜベルギーに留学しようと思いましたか?他国との比較、決め手になったことなどお答えください。
すでに現地に在住しており、仕事の関係から修士を取得したいと思っていた。
留学前の準備期間、言語の勉強方法
留学を思い立ってから実際に現地へ出発するまで何か月くらいの準備期間が必要でしたか?
現地にすでに在住していたが、書類を準備するのに日本のベルギー大使館とのやり取りや日本の行政書士にお願いする作業があったため、1か月かかった。
必要だった書類は、覚えている範囲では卒業証明書と取得単位表(翻訳したバージョン)、語学テストの証明書、さらに学校の申込書への記入がありました。語学テストは現地の大学付属語学学校のテストを受けて証明書を取得しましたが、卒業証明書と単位については、学校の説明で現地(この場合、日本)のベルギー大使館で書類を「公文書化」してもらうこと、とあるのですが、大使館ではそうした作業はもう20年も前に廃止された、との回答でした。そこで、もう一つの方法として日本の外務省でアポスティーユをつけてもらう、という方法をとりました。しかし、私は私立大学卒なので(公文書でない私文書の卒業証明書には)アポスティーユがつけられないため、日本の行政書士に頼んで翻訳文の内容に偽りがないことを証明する公文書を作成してもらい、その公文書にアポスティーユをつけるという形をとりました。
ベルギーは入学試験がなく、卒業証書と単位のみで入学許可の判断が下されるため、日本の大卒でもこちらの同じ分野の大卒とみなされないことがあります。
知人の例では、日本の大学の観光学部の卒業でしたが、こちらの観光学部で必須単位となる経済学の単位がなかったため、高卒扱いでした。
 
準備期間中にいちばん大変だったこと、時間は十分だったかをお答えください。
大学のサイトによると日本の場合は卒業証書に在日ベルギー大使館からの証明書をつけて提出、とあるのに大使館ではそのような手続きは20年以上前に廃止されたといわれ、国内の行政書士に相談した。本来私学の文書にはアポスティーユはつけられないため、行政書士に翻訳した文書の内容が正確であることを宣誓した文の作成を代行してもらい、この文にアポスティーユをつけた形で提出した。
 
留学前にフランス語またはオランダ語または英語をどのように勉強しましたか?語学試験は受験しましたか?
オランダ語はすでに勉強していたので問題なかったが、入学には付属の語学学校の特定のレベルに合格していなくてはならないため、試験を受けた。
 
語学学習において、どんな勉強方法が一番効果的だと思いますか?
基礎を学校で学んで、あとは自分で新聞を読んだり、テレビを見たり、ネイティブの人と会話をする。毎日こつこつ努力するしかない。
情報収集方法
どのようにしてベルギー留学について情報収集しましたか?
ネットのみ
現地学校への問い合わせ
学校へはどのような手段で連絡を取りましたか?
メール、ウェブサイト

連絡の際に困ったことはありましたか?
特になし
出願
出願時に提出した書類と、提出方法を具体的に教えてください。
成績証明書、卒業証明書、オランダ語試験合格証、エッセイ(なぜこのコースで学びたいのか、がテーマ)
 
出願から正式な入学許可書を受け取るまでに苦労したことはありましたか?それをどのように解決しましたか?
学校側の公開情報と実際の状況が違ったため、書類の整備に手間取った。(アポスティーユ)
入学試験
入学試験を受けましたか?
なし。ベルギーは医学、歯科学以外は入試はなく、それまでの学歴で入学の可否が決まる。
ビザ・居住の許可の取得
ビザ(査証)を取得しましたか?
在住許可をすでに持っていたため、なし。
学費、生活費、お金の送金・管理方法
留学中にかかった学費(+諸経費)の総額はおよそいくらでしたか?どのような支払方法が便利でしたか?
学費は年間650ユーロ(8.5万円程度)、ただ、教科書が高く、本によっては100ユーロ(1.3万円程度)近くする。よって最終的には1,400ユーロ(18.2万円程度)前後だったと思う。
 
学費以外の生活費の、1か月平均額または留学期間全体の金額、及び内訳を教えてください。
住居費350ユーロ(4.5万円程度)、食費250ユーロ(3.2万円程度)、光熱費100ユーロ(1.3万円程度)程度。
 
学費、生活費をどのように捻出しましたか?
貯金。
 
お金をどのように管理していましたか?現地で銀行口座を作った場合、どのような手続きをしましたか?
現地銀行。正式な住所と学生証があれば口座はすぐ作れるはず。

日本からの送金が必要な際、どのように送金してもらいましたか?
なし。
健康管理
どのような保険に入っていましたか?留学先校など現地で保険の指定はありましたか?
現地の医療保険。指定なし。
  
日本またはベルギーで予防接種・健康診断を受けた場合、その内容を教えてください。
なし。

現地の医療サービスを受けましたか?またその場合、気をつけるべき点があれば教えてください。
なし。ただし、ベルギーの医療では日本のようにすぐには大掛かりな検査をせず、様子を見るので、我慢せずに大げさに症状を訴えないと重病を見逃すこともある。留学生の知人で風邪と誤診されて命を落としかけたケースがある。日本のように相手が細かいことに配慮してくれる文化ではないので、きちんと主張しないと伝わらないことを常に念頭に置いておくべき。ただし、主張すればきちんと聞いてくれる。
学校生活
日本の授業に比べて異なる点、ベルギーらしいと思う特徴、受講した感想を教えてください。
大学の学習要綱に入っているらしく、やたらグループワークが多い印象。また、グループワークの提出物が単位取得の条件となっている授業もある。自分だけでこつこつ勉強したいタイプの人にはかなりのストレスになる。ただし、グループワークを通じて大学の仲間ができたので、そうした意味ではよかったと思う。
 
予習・復習での工夫や苦労した点があれば教えてください。
やはり言語面で不利なので他の学生よりも長時間勉強していた。学生が全員年下で、授業中のおしゃべりも多く、聞き取りに苦労した。
 
試験やエッセイ・レポート対策について、工夫や苦労した点があれば教えてください。
レポート提出時は常にネイティブの知人に文法チェックをお願いした。試験では語学でハンディがあったが、今更勉強しても語学力が急激にアップするわけではないため、計算問題に力を入れ、点数の獲得に努めた。
 
授業やレポートにおいて、語学上・学習上のサポートはありましたか?
学部生向けのチューターがおり、常時質問ができるだけでなく、自由参加の補習もあった。学部生と共通の授業では、これらのサポートを受けることができた。
 
学校の施設(図書館・Computer Lab・カフェなど)は充実していましたか?
充実していた。コンピューターもグループワークなどで混雑することもあるが、少し待てばすぐ使える。
 
学校全体やクラスで、現地の学生・外国人留学生・日本人留学生の割合、学生の年齢層はどのようでしたか?
企業経営のコースでは、留学生はほとんどいなかった印象。年齢層は新規学卒者が圧倒的に多かったが、いったん働いてから復学した人や仕事をしながらの学生もいた。

現地の学生・外国人留学生と交流できましたか?その方法や得られたこと、大変だったことがあれば教えてください。
グループ活動で一緒になった学生たちとよく食事をしに行った。卒業後も交流がある。グループ活動では、自分だけ外国人だったので、足をひっぱらないように気を付けていた。特に、他の学生に比べて言語面でのハンディがある分、グループで作業をする際は必ず参加し、作業に貢献するように努めた。ただ、活動に全く貢献せず単位だけ取得しようとする学生もおり、日本に比べて全般的に自己中心的な人が多いため、不快な目にあった時に明確に意思表示をできる人でないと、ストレスがたまると思う。

日本人留学生との交流はできましたか?
なし

指導教官とのやり取りでよかったこと、大変だったことはありましたか?
オランダ語の方言がきつい教授がいて、聞き取りが大変だった。
食事
普段はどのように食事をされましたか?現地の食事・飲料水・食材で苦労したこと、気をつけたことはありましたか?
食事はほとんど家で済ませていたが、大学が街中にあるので、カフェやレストランがいくらでもあり、選択肢は多い。
 
日本の食材を手に入れることはできましたか?日本から持参すると良い食材があれば教えてください。
現地のアジア食品店で豆腐やみそ、だし、カレーなど日本の食材が一通りそろうので、あまり不自由しない。
住居
留学中、どんな住居に住んでいましたか?その特徴とともに教えてください。
学生向けの貸家が多い地域の小さな一戸建て。ゲントは基本的に学生の街なので、市内全体にゲント大学の学部が散らばっており、学生向けの物件は供給過多の状態。ただし家賃は物件が増えても下がっていない。

住居を決めた際の基準や、探した方法を教えてください。
すでに住んでいた家から通学したため、新たな住居は探していない。

住居でトラブルはありましたか?あった場合、どのように対処しましたか?
特になし。
現地の治安状況・注意したこと
現地の治安状況についてどのように情報収集しましたか?
すでに現地に住んでいたため、特に情報収集はしていない。
 
居住地域の治安状況を教えて下さい。治安状況を踏まえて気をつけた点について教えてください。
ゲントはブリュッセルと比較してかなり安全だが、年々車上荒らしや盗難が増えている印象。特に、公共鉄道は日本と違ってお金持ちは使用しないものなので、ブランドもののバッグなどを持って乗らないほうが良い。ゲント市は移民がうまく統合されているのでそれほど気にすることはないが、ブリュッセルは要注意。

犯罪に巻き込まれたことはありましたか?
なし。
通信
通信機器は、日本から持参されましたか?学校や居住施設での利用はいかがでしたか?
現地で購入したラップトップやスマートフォンを使用。学校は無料Wi-Fiあり。携帯のインターネット使用料も日本より大幅に安く、ネット環境は悪くない。
 
現地で上記の通信機器やインターネットを利用した際、機器・プロバイダの選択や手続きはどのように行いましたか?
すでに使用中のプロバイダがあったため、特に探していないが、正式な住所と学生証があれば簡単に店舗で申し込みできるはず。
気候
日本との気候の違いに対して心がけた点を教えてください。
雨がやたら多いが、霧雨のような雨で傘があまり役に立たない。フード付きのジャケットがあると便利。
現地生活状況・各種相談先
現地購入できて役に立ったもの、日常品で重要なものがあれば教えてください。
フィルター浄水器。カルキが多い水なので必須。
 
学校内・学校外で問題があったとき、誰に相談しましたか?
チューター。授業内容だけでなく、論文の指導教授探しや、グループワークの人間関係など、なんでも親切にアドバイスをしてくれて、助かった。
 
住居などについて支援を受けられるような学生互助会(自治会)などはありましたか?
わからない。ただ、学生向けの物件は飽和状態であり、探すのに困ることはないと思う。
 
現地の人との文化的摩擦、トラブルの経験や、異文化の中で気をつかった点はありましたか?
きちんと意思表示すること。日本のようにお互いに気遣う文化ではないので、(失礼のないように)自己主張をしないと自分が損をする。ただし、ベルギー人はヨーロッパの中では謙虚で優しく日本人にとっては付き合いやすいほうだと思う。
帰国後の進路/留学と進路との関係
現在の所属について、差し支えない範囲で教えてください。
現地で結婚し、そのまま在住。自営業。

留学前・留学中・留学後のいつ、就職活動をされましたか?
していない。

ベルギーで就職活動をされましたか?
していない。

日本で就職活動をされましたか?
していない。

留学経験は進路決定に影響しましたか?また、留学経験は現在の仕事・学業にどのようにいかされていますか?
学んだ内容自体も大いに役立っているが、30代後半になってからのチャレンジで、大いに鍛えられた。
後輩へのアドバイス
日本にいる間にしておけば良かったことや、留学先にベルギーを選んで良かったと思うこと、期待とは違ったことなどを踏まえて、これから留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いいたします。
勉強だけでなく異文化の中で一人で暮らしていくのはかなりのストレスになります。特にほかに留学生がいない学部は大変です。日曜は店が全部閉まること、また、コンビニがないのはかなりきついと思います。ベルギーは官民ともにサービス業のレベルが低く、日本人からすると考えられないようなトラブルが多々あります。ただ、ベルギー人は他のヨーロッパの人に比べておとなしく優しい人が多いので、日本と比較しないように暮らせば楽しい思い出もたくさん作れると思います。
留学中の1週間の授業時間割
時限
 1(8時30分~10時00分)   一般経営 財務報告(会計) 経済学原論 経済学原論
 2(10時00分~11時30分)   一般経営   マーケティング管理 経済学原論
 3(11時30分~13時00分)   一般経営   マーケティング管理  
 4(14時30分~16時00分)   財務報告(補習) IT管理 IT管理(補習)  
 5(16時00分~19時00分) 財務諸表分析 財務諸表分析 IT管理 経済学原論(補習)  

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。