留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

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留学先国・地域:ドイツ、デュッセルドルフ、フランクフルト
留学期間:2011年10月-2017年9月
学校名:デュッセルドルフ美術アカデミー、シュテーデル美術大学
専攻名:ファインアート
留学形態:大学への進学(学士号取得)

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。

日本の美術大学に入学してすぐの話です。NYで活躍していた講師の「日本のアートは10年遅れている」という発言に反感と同時に好奇心を持ち、アルバイトで貯めたお金で友達とNYへ1ヶ月滞在して美術作品を見て回りました。思いのほか刺激的な体験だったので、毎年、1人で他の国へ美術を見に海外旅行へ行きました。次第に「美術とは一体何か」と知りたくなり留学を決心しました。


Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。

ドイツにした理由
1、日本と比較して、ドイツの美術大学の大半の教授が世界的に有名な芸術家という点。
2、教授と少人数の生徒でコミュニケーションが出来るという点。伝統的ではありますが、当時の私にとっては大事な部分でした。

デュッセルドルフ芸術大学選択理由
当時大ファンだった芸術家が教鞭をとっていました。またライン川が地元の田園風景に近く、親近感を感じてこの街で生活したいと思いました。

シュテーデル美術学校
視野を広げるためもっと現代美術を勉強したくなり、現代美術の分野で有名なシュテーデルに編入しました。


Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?

元々幼少から留学を勧めていたので、喜んで背中を押してくれました。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。

2007 - 2008年:留学を考え始める、情報収集
2009年4月:ドイツ留学決意 ドイツ語勉強始める
2010年3−4月:受験用ポートフォリオ制作、日本から郵送
2010年夏:デュッセルドルフ芸術大学からの合格通知
2010年9月:渡独


Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。

学部2-3年生の時アルバイトしてイギリス、フランス、オランダ、ドイツ等を一人旅しましたが。教授や友達、知り合いを通して、アーティストや学生に会って直接話を伺いました。実際に学校や街を見て自分好きかどうかも吟味しました。


Q. 語学学習はどのように行っていましたか?

最初の1年は日本の大学在籍中だったので、参考書を買って独学、オンラインでドイツ人家庭教師を探し週2回個人レッスンを受けました。夏休みにはHalle大学が開催している、Lutterschtadt-wittenbergにある語学学校で1ヶ月ホームステイました(サマースクール)
学部卒業後は3ヶ月東京のゲーテインステトゥート、B1レベルの資格を取得しました。

ドイツでは、大学付属の語学学校でB1コースを3ヶ月、Münsterの大学が提供する無料の語学学校B2コースを3ヶ月受講しました。デュッセルドルフ芸術大学はB2レベルの資格で十分だったので、1ヶ月後それを取得ました。

シュテーデル美術大学は公用語が英語でした。市が運営するVolkshochschuleという、所謂カルチャーセンターで英語を学び英語スキルを上げました。


Q. 留学(斡旋)サービスなどは利用しましたか?

留学斡旋サービスを利用する前に、既に海外旅行していましたし、心の優しい人達のサポートで色々情報を得ることができたので必然性を感じませんでした。また、作品受験で合否が決まるので、美術大学での留学サービスはあまり意味がないと思っていました。


Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。

両親の援助、日本、ドイツでアルバイト、
また、DAAD(ドイツ学術交流会)の助成金、POLAの芸術助成金をいただきました。


Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。

全て自分で行いました。

入学手続き:既にドイツに滞在したので、学校へ自ら赴き係員に書類提出しました。

ビザ:ドイツ入国後外国人局へ赴き、ビザ申請の予約を取りました。

健康保険:語学学生の間は事前にプライベート保険、学生からは公的保険に加入しました。語学学生は公的保険には加入できませんので注意してください。留学保険などをオンラインで申請できるので探してみてください。

銀行口座:口座開設は基本予約制です。語学学校の事務が予約をとってくれて、一人で契約しましたが、窓口でも予約できます。今はN26銀行など簡単なオンラインバンクもありますが、ビザ申請に引っかかるそうなので普通の銀行口座も同時に開設しておくのをお勧めします。

Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。

デュッセルドルフ
・ドイツ人7割外国人3割、公用語はドイツ語。教授はドイツ人外国人半々。
・入学一年目は基礎科にはいります。アトリエが立体、写真、絵画のごった煮の状態でしたが、皆それぞれ好きな事をやっていたので一番楽しかった時期でした。
・講義は美術史、建築史、哲学、週に何コマかあります。卒業には単位が必要です。宿題もあります。
・基礎修了時に、好きな教授に作品を見てもらい、受け入れてくれるとそのクラスに入れます。クラスによって全く活動が異なります。私の教授は1ヶ月に1週間来ました。週に1−3回建築、社会学本を読む、若い作家のレクチャーを受ける等とても教育熱心でした。集団パフォーマンスも作品として行いました。クラス旅行はロサンゼルス、ハンブルクに行きました。
・1年に1度学内展覧会があります。
・工房は木、金属、プラスチック、版画、写真。予約してレクチャーを受ければ、誰でも利用可能です。

シュテーデル
・生徒が100人と小さいのでアットホームなインターナショナルスクールです。生徒の意見がとても重要視されています。英語が公用語。
講義:デュッセルドルフと同じですがより現代美術寄りでした。
週に1度、生徒が招待した若手アーティストのレクチャーがあるのが特徴的でした。
・教授は1ヶ月に3日学校に来ました。作品を個人もしくは全員でみて話合い。教授の体験話、一緒に映画や作品を見たり、美術館に行くなどしてディスカッションしました。クラス旅行はイスタンブール、パリ、韓国
・こちらも1年に1度学内展覧会があります


Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。

私は寮には住まず、WG gesuchtというウェブサイトを活用し部屋を探してルームシェア、1人暮らしをしていました。
ドイツは日曜日が法律でほぼ全ての店が閉まっているので、休日は公園でピクニック、散歩、美術館巡りをしていました。大きい公園も多く、白鳥、狐、兎、野鳥も生息しています。都市の隣で自然も感じられます。
また、ドイツは欧州の中でも1−2を誇る安全な国です。スリは多いので日本のように鞄をカフェに置きっ放し、ジッパー開け放しできませんが、危険そうな地区に行かなければ全く問題ありません。


Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)?

シュテーデル美術学校附属のギャラリーの監視役員
短期でドイツ語から日本語の翻訳、日本料理屋さんでも働きました。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?

・言語による人間の思考形成の差異をドイツ語を勉強してる間に多く発見しました。(どれだけ日本語では自分が曖昧に会話していたのか、擬音使いすぎていた等)
・インターネット、情報社会の助けにより世界が狭くなったと思っていたけども、実際欧州に住んでからはまだまだ世界はとても広くて未知なる部分が多い事に気づきました。
・一流の芸術家の体験を生で聞けること、またプロの思考のレイアーの深さに感動しました。
・美術の理解度が日本にいた時よりも10億倍広がりました。美術の可能性をより感じましたし、職業として美術をするだけではない、生き方の一つとして美術を選ぶことができるというのも学びました。


Q. 留学後の進路について教えてください。

卒業後はドイツに残り、3年間は芸術家としてタイ、韓国、東京、ドイツで展覧会参加など活動しました。プログラミングに興味を持ち、独学、プログラミング集中講座を受け、2020年からドイツでweb デベロッパーとしても活動をしています。


Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。

どこの国でも環境、言語が変わると、新しい思考回路が自分の中に生み出されます。最初は戸惑うかもしれませんが、それを是非楽しんで自分の一部にしてください。
また、留学した1番の私の宝物は最高の友人ができたことです。素晴らしい出会いは世界中にもありますよ。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。