留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

このページは2015年度の調査をもとに2017年2月時点で更新した情報です。
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音楽・芸術 画像

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ドイツの高等教育機関には、一般の総合大学が約110校、芸術系の大学が約50校、専門大学・応用化学大学が約200校あります。ドイツでは一般の学部や学科では入学試験が課されないことがしばしばありますが、芸術系の高等教育機関には試験が課されています。
芸術系の高等教育機関には一般に、学士号、修士号、博士号の他、修士号に相当するディプロムとマギスターがあります。音楽系の場合、ほとんどの大学が学士号(4年)となっています。美術系の場合、大学ごとで違いはありますが、公立大学の多くはディプロム(5年)で、私立大学は学士号(4年)のケースが多いと言えます。修士号を取得することができる機関はある一定数ありますが、芸術の実技系で博士号は取得できません。しかし修士号を取得した後で、後述の資格(コンツェルト・エクサーメンとマイスター・シューラ―)を取得できる大学があります。
芸術系の高等教育機関は一般に、かなりの難関と言えるでしょう。初心者が比較的短い時間で習いたい場合は、音楽や美術の教室や短期講座などの方が選択肢が多いでしょう。


ドイツでは、夜8時から朝7時までと日曜祝日は騒音を立ててはならない時間となっています。この時間帯は、大きな音での音楽の演奏や、近所迷惑になる家庭の騒音(芝刈り、洗濯機、食洗器等)は避けることが望ましいとされています。一般に、音楽練習用のスタジオやアート制作のためのアトリエを貸し出している有料サービスは多く、自宅での練習時間が十分に取れない場合、このようなサービスを利用することもできます。

また、留学の際に一部の特殊な画材などは持っていく必要がありますが、一般的な画材はドイツで手に入ります。楽譜や楽器の部品なども同様です。

公立大学の学生数は15,000人ほどです。音楽大学の名称は「総合大学」と「単科大学」の二つがあります。しかし名前によって大きな差があるわけではありません。音楽の実技を学ぶことのできる大学は、20校以上あります。

入学には中等教育修了資格を持っていることが必要です。受験者は実技試験によって、才能を審査されます。大学によっては受験回数を4回など、制限しています。

大学によっては、宗教音楽の教育を行っています。こうした講座を受講するにあたっては、プロテスタントの所定の宗派の信徒であることを示す必要があります 。

語学要件は各大学で異なります。参考までに、ハノーヴァー音楽演劇総合大学の場合、欧州言語共通参照枠(CEFR)のB2、TestDafのレベル1、DSHのレベル3などを求めています 。学費は各大学によって異なります。ハンブルグ音楽演劇単科大学の場合、年に会費として約300ユーロ、学費として約800ユーロ/年を納めます 。

特に優れた学生のための資格として、コンツェルト・エクサーメンKonzertexamenがあります。これは修士号取得後、2年程度の就学を続けて取得することができるものです。受講にあたっては審査があり、大学の講義の成績で高い評価を得ている必要があります。


<学校例>
学校名 ロベルト・シューマン単科大学(Robert Schumann Hochschule)
課程 学士課程
合格者数 約800人
対象者 ・選抜試験に合格している者。
・語学要件を満たしている者(ゲーテ・ドイツ語検定試験B2以上)。
選抜 各科によって、所定の実技試験を受ける。
学費 無料(経費は約600ユーロ/年)
言語 ドイツ語
期間 4年

音楽 画像

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私立大学は8校ほどあります。いずれも「宗教音楽大学」「カトリック」「プロテスタント」などの名を冠していますが、実際には、宗教音楽だけではなく、ジャズやポップスについても学科を設けています。カリキュラムは、学士課程が主ですが、ディプロム課程もあります。しかし、これらは規模の大きいものでも学生数が100名前後で、私立大学の学生は総数で300人ほどです。3校ほどは、既に学生数がゼロ名となっています。留学希望者は募集しているかどうか、確認する方が確実でしょう。

公立学校が、学校のカリキュラム外で、市民の教養を深めるために講座を開講しています。ベルリン市の場合、合計で130あまりの講座があります。実技には、歌謡、器楽があります。歌謡では自分で曲を書き、歌うことも教えます 。
期間は講座により、まちまちです。10コマほどの短いものから、250コマを超えるものがあります。費用はコースによって異なりますが、40ユーロから200ユーロほどです。
MIZ(Deutsches Musikinformationszentrum: ドイツ・音楽情報センター)〔一部英語、ドイツ語〕
ドイツの音楽情報を提供する、準公的機関であるMIZ(Deutsches Musikinformationszentrum: ドイツ・音楽情報センター)のウェブサイト
Berlin.com>Volkshochsculen(国民学校)>Musik(音楽)〔ドイツ語〕
市内の音楽教室を検索できるベルリン市のウェブサイト

ドイツでは公立大学が夏期講習会を開いています。言語は英語もあります。プロを養成する高度なものから、教養を深めるものまであります。費用は講座によって様々です。

【例】
ロストック音楽演劇大学、サマー・キャンパス/ マスターコース
ロストック音楽演劇大学が開校する1週間のコース で、少数で講座を受ける他、プロたちとソリストとして共演する場が与えられます。費用は一般が320ユーロ、ロストック音楽演劇大学の学生が160ユーロです。住居は用意しておらず、ホテルを推薦しています。受講にあたっては試験があります。実技を録音し、各講師が受講の可否を判定します。

フランツ・リスト大学、夏季マスター・クルーゼ
7月初頭から8月末にかけて、フランツ・リスト大学で2週間程度の夏季講座が開催されます。プロを養成するための講座で、難易度は非常に高いものとなっています。各講師によって、様相は異なります。著名な音楽家の講座の場合、所定の日にオーディションが開催されます。費用は全体で400~600ユーロとなっています。住居はホテルを予約することができます。受講する講師等によって条件が異なりますが、150~400ユーロ/日になっています。

バイロイト大学、音楽と音楽人生コース
バイロイト音楽祭に合わせて、8月初旬から9月初旬まで、バイロイト大学で一か月間の講座が、開催されます。教養を深めるためのもので、ドイツ語の水準が欧州言語共通参照枠(CEFR) のB2であれば、音楽に関する技術がなくても受講することができます。この講座はドイツ語研修を兼ねています。プログラムは午前中が語学(20時間/週)、午後が音楽(8時間/週)となっています。その他、文化についての理解を深める機会が設けられています。費用は合計で800ユーロです(食事と住居は含まず)。また別途、寮に申し込めます。

美術系の公立大学は全部で約15校ほどです。これらでは合計1,3000人ほどの学生が学んでいます。大学の呼称は、「総合大学」「単科大学」「アカデミー」などです。ドイツの場合、これらの名称が大学の優劣や、制度上の差を示すわけではありません。
入学に際しては、一般には中等教育修了の資格が必要です 。また一般には最低年齢が17歳です 。合否は事前にポート・フォリオを提出した上で、実技と面接によって決まります。審査員は当該大学の教員です。求められるポート・フォリオの中身は各大学のサイトに概要が記してあります。参考までに、例えばアラヌス大学の場合は、5から10の彫刻作品、10から20の絵画作品です 。ブラウンシュバイク芸術大学の場合、20から30の作品です 。
いずれの大学もドイツ語の運用能力を示すことを求めています。ブラウンシュバイク芸術大学では、DSHのレベル2、もしくはTestDaFのレベル4が求められます。しかし芸術系の大学の場合、大学独自の語学試験で済むケースもあります。
ドイツでは芸術系の実技に特化した資格として「マイスター・シューラ―」Meisterschulerがあります。これは芸術の実技を学ぶ学生の中でも、限られたものだけに与えられる資格です。これは修士号を取得後、一年の就学を続けて得られるものです。
授業料は多くが無償に近いものです。しかし厳密には、大学ごとに、受講するコースごとに異なり、個別に現地のオフィスに問い合わせることになります。
<学校の具体例>
学校名 ベルリン・ヴァイゼンゼー美術大学(weisensee kunst-hochschule berlin)
課程 学士課程
学生数 約800人
対象者 例)絵画科
・選抜試験に合格していること。
・中等教育を優秀な成績で修了していること。
・語学要件を満たしていること。Test dafがレベル3以上、DHSがレベル1以上、UDKがレベルB2以上。
・6~8週の実技経験があること。
選抜 第一次試験:ポート・フォリオを提出(15~20作品) 
第二次試験:実技と面接
学費 580ユーロ/年(鉄道チケットを支給)
言語 ドイツ語
期間 4年
私立美術大学は5校以上あります。いずれも2000年前後に設立された比較的新しい学校です。取得できる学位は、学士号と修士号です。学費は各校でばらつきがありますが、高いもので10,000ユーロ/年ほどです。

美術教室・工房など
特に都市部では、自治体が美術教室や工房を取りまとめています。
多種多様な講座が用意されています。ベルリン市の場合、造形芸術の部門(彫塑・彫刻、陶器、セラミック)で180コースあります。絵画の部門は基礎を学ぶコースと、中級以上のコースとに大きく分かれています。基礎コースは180コースあり、中級以上のコースは730コースを超えます。2~3週間で、一体の作品を完成させます。1コマは45分で、200コマを超える長期的なものもありますが、多くは15コマのものです。
費用はコースによってまちまちです。長期的なもので800ユーロ、短いもので70ユーロです。その他、実費を支払います。彫塑芸術で材料10キロにつき10ユーロなどです。期間が長いものになるほど、高度な技術を目指すものとなる傾向にあります。また講師によっては、英語の講座に対応しています。

美術学校準備教室
美術大学や、デザイン系の応用工科大学に出願するためのポート・フォリオの制作の手引きとなる講座を行います。こうした講座はベルリン市内だけで180コース、開催されています。講座は美術大学の卒業生が担当しており、英語でも対応しているケースが多くあります 。30コマで、90ユーロなどです。


 

いくつかの公立大学が7月から9月ごろにかけて、一週間から一か月程度の夏期講習会を開いています。言語は英語が主となります。ただし英語の語学要件が課されていることがしばしばで、欧州言語共通参照枠(CEFR) のB2以上に相当する資格(IELTSでは5~6.5に相当)が求められています。費用は講座によって異なりますが、目安は、300ユーロ/週、900ユーロ/月です。

<例>
ベルリン芸術総合大学、夏季コース
ベルリン芸術大学は、7月から10月にかけて複数の外国人向けの講座を開催しています。芸術、デザイン、音楽など様々な領域の学生に、マネージメントの仕方を教授するコースや、あるいは、美術史などの基礎知識を教えつつ、ドイツ語を研修するコースもあります。

音楽:
Uさん(30代女性)
都市名: ハレ
留学先: Euro Music Festival and Academy マスタークラス
学んだ分野: ヴァイオリン・室内楽
留学期間: 2013年8月~2013年9月
留学形態:自己手配
アンケート回答(PDF:173KB)

美術:
Iさん(20代女性)
都市名: ベルリン
留学先: Atelier HY+
学んだ分野: Kunst
留学期間: 2015年 2月 ~ 2015年 4月
留学形態:自己手配
アンケート回答(PDF:205KB)

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。