海外留学を考え始めた方や、準備を進めている方にお勧めの基礎情報。
語学や芸術文化など目的にあわせた留学先の情報を調べることができます。

このページは2015年度の調査をもとに、2019年3月時点で更新した情報です。
ドイツ語のウムラウト記号は、該当の母音後にeを入れることで代替しています。

生活情報

滞在先
留学中の滞在先の候補として、学生寮、フラットシェアやアパートの賃貸などが考えられますが、留学生にとって最も手続きがわかりやすいのは学生寮です。オーストリア学術交流会(OeAD)の管理する学生寮であれば渡航前に部屋を探すことができます。

学生寮に空きがない場合や、滞在先について特別な希望がある場合は、まずは大学の留学生担当部署に問い合わせるのがよいでしょう。また、それぞれの大学にあるオーストリア大学生組合(OeH)も、学生向けの物件を紹介しています。

渡航前に滞在先が決められなかった場合は、オーストリアに入国後まずはユースホステルやウィークリーマンションなどに滞在しながら、自分に合った住居を見つけるのも一案です。
学生寮
OeADのHousing Officeを通して学生用住宅を探すことができます。キッチン・バス・トイレ付きの独立したアパートメントタイプ、個室があってキッチン・バス・トイレなどを共同で使うフラットシェアタイプ、一つの部屋を共同で使う二人部屋タイプなどの部屋タイプが選べます。全ての部屋は家具付きです。そして、ほとんどの施設において、Wifiネットワークやコインランドリーが利用できます。また、音楽演奏やスポーツ用の共有スペースがあるなど、寮ごとに特徴が異なるので、大学までの距離や近隣の環境や家賃などから総合的に判断して、希望を決めましょう。寮には最短で1か月もしくは1学期、最長で16カ月滞在することができます。長期の留学の場合でも、まずは学生寮に住んで生活に慣れれば、転居先を探すことも難しくはないでしょう。

入学許可証が手元にあれば渡航前にオンラインで申し込みをすることができます。申込みには手数料が35ユーロかかり、サイト上でクレジットカードなどで決済をする必要があります。無事に部屋が割り当てられた場合、Emailで通知がきます。指示に従って保証金を支払えば、部屋が確保できます。保証金の額は部屋によって異なりますが、通常750ユーロから950ユーロです。
<参考>OeADでのサイトで申し込みができる宿泊施設(2019年1月現在)
OeADが、大学入学準備コースを運営しているウィーン、グラーツ、レオーベンには、OeADが直接運営する施設がありますが、それ以外の施設は民間経営でOeADが仲介を行います。OeADの運営する施設では、月2回部屋に清掃が入ります。家賃は、部屋のタイプや立地により異なります。
 
都市 施設数 家賃
ウィーン Vienna  10施設 (1130室):OeAD
 26施設:民間など
 330~1,210ユーロ/月
 253~497ユーロ/月
グラーツ Graz  4施設 (307室):OeAD
 4施設:民間など
 395~600ユーロ/月
 176~383ユーロ/月
クラーゲンフルト Klagenfurt  3施設:民間など  274~345ユーロ/月
ザルツブルク Salzburg  10施設:民間など  275~420ユーロ/月
インスブルック Innsbruck  8施設:民間など  255~404ユーロ/月
リンツ Linz  2施設:民間など  249~422ユーロ/月
レオーベン Leoben  1施設 (201室):OeAD  250~500ユーロ/月
※費用のレート計算は外国為替情報ページで確認してください。
フラットシェア(WG: Wohngemeinschaften)
オーストリアの大学生が最も多く利用する滞在形態は、キッチン、バス、トイレなどを共有し、各人が個室を持つフラットシェアです。大学の所在地にもよりますが、250~450ユーロ程度で部屋を見つけることができます。フラットの空き部屋情報は、不動産サイトやSNSなどインターネット上で見つけることができます。

jobwohnen.at〔ドイツ語〕オーストリア大学生組合(OeH)のサイトに、オーストリアにある学生寮の全リストがあります。

アパート
一般の住居を自分で探すには、最新の物件情報を入手して、ドイツ語で交渉する必要があります。仲介手数料を支払えば、不動産業者に家を探してもらうことができますが、いずれにしても基本的には、現地に行ってからでなければ契約を結ぶのは難しいでしょう。
 
※音楽演奏について
オーストリアでは、一般的に夜10時から朝6時は騒音禁止の時間帯とされていますが、音楽演奏を認めるかどうかはそれぞれの家で決定することになっています。禁止時間外であっても、練習時間は隣人と話し合って取り決める必要があります。室内で音楽演奏が認められるか、練習可能な時間帯はいつかなどは契約前に必ず確認しましょう。なお、大学の練習室だけではなく、音楽練習用のスタジオなど自宅以外の練習先を確保しておくと良いでしょう。
生活費
オーストリアで暮らすには、1か月約950ユーロは必要です。ただし、大学の所在地によって、住居費用に若干の違いがあり、一般に、首都ウィーンの方が地方都市よりも家賃が高いです。

<内訳>
家賃 約400ユーロ
食費 約250ユーロ
書籍代・文化娯楽費 約300ユーロ
楽譜の購入
楽譜は特殊なものではない限り、現地で購入できます。
衛生・医療事情
オーストリアの衛生状況は良好ですが、気を付ける病気としては、冬にインフルエンザ、春から秋にかけてダニ脳炎があります。ダニ脳炎の予防接種は、日本国内ではワクチンを見つけることが難しく、大変高額です。現地の病院で受けましょう。
医療保険
オーストリアの大学に登録している学生であれば、各地域にある疾病金庫の学生保険student self-insurance (Studierendenselbstversicherung)に加入できます。学生保険は月額約60ユーロで、一般の診療所や公立の病院を無料で受診できます。保険の継続には、毎年大学の登録証を示す必要です。6か月以上の滞在の際に必要となる滞在許可証の申請には、全てのリスクを補償する医療保険への加入していることが条件です。

滞在期間が6か月以内の短期の留学生は、海外旅行保険に加入していれば問題ありませんが、補償の範囲がオーストリア滞在を十分カバーできるように注意してください。
医療機関
私立病院では手厚いサービスを受けることができますが、診察料は高額です。使える健康保険が限られるので、保険会社に確認してください。

救急車を呼ぶ電話番号は144番です。オーストリアの健康保険に入っていない人は有料で約690ユーロかかります。
 
通信
短期留学の場合、主な連絡手段は携帯電話(スマートフォン)になるでしょう。携帯キャリアはA1、T-Mobile、DREIの3社ですが、近年多くの事業者から様々な格安SIMが販売されています。事業者の多くは、プリペイドと契約のSIMを販売しており、選択したプランにより通話料金が異なります。契約のSIMの場合、最低契約年数が設定されている場合もあるので、留学の長さによって契約の種類を決定しましょう。電話機とのセット購入もSIMカードのみの購入もできます。
大学構内や学生寮の多くではインターネットが完備されています。また街中で無線LANを使用できる場所も多く、たとえばウィーン市のウェブサイトでは無線LANを利用できるスポットがチェックできます。
交通情報
オーストリアでは鉄道網が発達しており、公共バス路線も全国いたるところに伸びています。たとえばウィーンには、地下鉄(U-Bahn)、市電(Strassenbahn)、バス、快速電車(S-Bahn)、近郊電車(Regionalzug)、バーデン線があり、市内であれば一枚の切符で目的地まで乗り継いで行けます。
また、オーストリアでは自転車も主要な交通手段の一つです。ウィーンでは、旧市街を中心にレンタサイクル・システム「シティバイク」が定着しており、オンラインでの登録やステーションでのクレジットカードを使った利用者登録をすれば利用ができます。ただし、オーストリアでは自転車と人の接触事故が多く、日本とは違って交差点では自転車が優先なので注意が必要です。
治安
オーストリアは安全で住みやすい国と言われていますが、強盗、窃盗、車上狙い、空き巣や詐欺などの犯罪は多数発生していますので、日頃から防犯意識をもって行動することが必要です。
アルバイト
EU圏外からの留学生は、就労許可があれば週に20時間までは働くことが認められます。就業許可の申請には、在留許可証、学生証、住民票などが必要で、手続きはAMS(Arbeitsmarktservice)で行います。ただし、アルバイトの収入のみでオーストリアの滞在費用をまかなうことは難しいため、留学前にしっかりと計画を立てましょう。

文化的・言語的な特色

オーストリアのドイツ語は、地域ごとに特徴的なアクセントを持ち、標準ドイツとは一部、語彙、綴り、発音などが異なります。都市部では英語が通じます。

国を挙げて音楽を重要視しています。ザルツブルクやブレゲンツなど世界レベルの大きな音楽祭から、地方の小さいフェスティバルまでオーストリアには200以上の音楽祭があります。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。