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奨学金留学
体験レポート
留学先国・地域:英国
留学期間:2018年10月~2023年8月
学校名:シェフィールド大学
専攻名:英語学
留学形態:博士課程
奨学金名:JASSO給付型「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」
留学の動機について
Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
自身の研究分野が現代イギリス英語に関するものだったので、現地に赴いて実際の英語に触れながら研究したかったから。また日本の大学の博士課程に一年ほどいたが、ほとんど自分ひとりで研究しなければいけず、十分な研究指導が受けられなかった。海外では充実した研究指導の環境が整っていると聞き、留学したいと思った。
Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
私の研究分野は英語とポップカルチャーについての研究で、自分の専門に近い研究者が2人しかなかった。1人はアメリカの大学の研究者で、もう一人はイギリスの大学の研究者だったが、博士号取得に必要な期間がイギリスのほうが短かったので、イギリスの大学にした。
Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?
小さいころから英語圏の博士号を取りたいと言っていたので、とても応援してくれた。
留学の準備について
Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、情報収集、学校選定、出願、ビザ申請など、それぞれの準備段階にわけて教えてください。
私の場合一年日本で博士課程を過ごしたのちイギリスの大学の博士課程に進学した。博士課程(日本)に進学してすぐに、自分の力では研究を続けることができないと思ったので、イギリス留学を決めた。すでにIELTSのスコアは足りていたので、そこにはあまり苦労しなかったが、自身の研究分野がマイナーな分野であったので、大学を絞るのに二か月ほどかかった。
実際に出願しすぐに結果が分かると思っていたが、現地の大学のストライキで合格通知をもらうまでに半年かかった。合格通知をもらってから実際に渡英するまで半年あったが、その間大学から大学寮のお知らせ、またビザの申請の仕方など詳しい説明が順々にあったので、期限内に間に合わせて準備した。
Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
イギリス留学一般の情報(Visaなど)に関しては日本の大学の在学時に留学していた先輩が何人かいたので、その先輩から聞いていた。また、博士課程での留学先は交換留学で留学した大学と同じだったので、大体の様子はあらかじめ知っていた。
Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか?
留学先大学から学生寮の案内があったので、学生寮に住んだ。比較的家賃が安めの学生寮以外の選択肢(現地のオーナーから借りる)も考えたが、保証人のパスポートや英語の銀行口座の写しなどの提出が求められたため断念した。
Q. 語学学習はどのように行っていましたか?
学部生の時と、修士の学生のときに交換留学でイギリスとオーストラリアに行っていたので、そこで英語力は上げた。また専門が英語学ということもあり、論文を英語で書くので日々語学学習はしていた。
Q. 留学(あっせん)サービスなどは利用しましたか?
いいえ。
Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか。留学の資金調達はどのように行いましたか?
日本の大学から奨学金の情報が回ってきていたので、その情報から情報収集をしていた。
授業料 250万円くらい(最後の年は20万円)
寮費 7万円くらい
食費 3,4万円くらい
Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか。 特に苦労したことや気を付けたほうがいいことなどが教えてください。
イギリスの大学ではストライキが多く、事務関係(入学関係に関する手続きなど)が遅れることが多い。メールで問い合わせてもすぐに帰ってこないことが多いので、早めにやることは済ませておいたほうがいい。
留学中の様子について
Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)? 日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労すること、学校生活での楽しみなどを教えてください。
イギリスでは三週間に一度指導教官と一時間ほどの面談をし、研究について話し合った。毎回面談で次に会う時にはどこまで研究を進めておくというように言われるので、大変ではあったが確実に研究が進んでいる感があった。その点、自分自身で研究を進めなければいけない日本の大学とは違うかと思う。
Q. 学校外の生活はどうでしたか? 寮などでの生活や休日の過ごし方、町の治安などについても教えてください。
学生寮での生活は非常に有意義だった。毎年様々な国から来る留学生やイギリス人の学生と触れ合うことができ、彼らの考え方を学ぶことができた。私のいた大学では学生寮では同じフラットに同じ国籍の学生が一緒にならないように配慮してくれていたので、毎日英語漬けの楽しい時間だった。町の治安は割と良いほうだったので、休日は彼らと食事に行ったりしたこともあった。
Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか。
留学した当初は英語で会話するのが苦手だったが、留学中様々な人と会話をする機会が増え、会話のストックが増えた結果、会話するのがうまくなったと思う。
Q. アルバイトやインターンなどの活動はしていましたか?
TAとして授業を教える経験はした。イギリスの学生は毎回授業の予習をし積極的で、その点日本の学生と大きな違いを感じた。
留学後について
Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか? 留学前と比べて成長した面はありますか。
留学する前は、日本であまりよく思われていない文系の分野で博士課程に進学することに後ろめたさを感じていた。しかし、たくさんの人と触れ合う中で、自分に自信を持っている人の数に圧倒されるようになった。彼らの考え方に感銘し、固定観念や人の目を気にすることなく、自分らしくいることの大切さを知り、あらためて研究者としての道を深めようと思った。
Q. 留学後の進路について教えてください。
大学で教員をしている。
Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
私はこの留学を通じて研究者として成長しただけでなく、自分の考えが変わっていくことを実感しました。日本にいると日本独特の固定観念に縛られて、新しいことに挑戦する気が起きませんでしたが、今は自分がしたいことには躊躇なく挑戦できるようになりました。ぜひ、皆さんも留学してほしいです。
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