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奨学金留学
体験レポート
2023年11月28日更新
J.I.さん
留学先国・地域:英国
留学期間:2021年9月~2023年1月
学校名:University of Sussex
専攻名:MA Development Studies
留学形態:大学院への進学(修士号取得)
留学の動機について
Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
留学をしようと思った動機は、世界最高峰の教育レベルで学べること、レベルの高い学習環境、イギリスで就職をしたかったことが挙げられる。開発協力の分野でイギリスの大学院は世界最高峰と評価されており、最先端の研究を著名な研究者から学ぶことができる。また、学部時代のアメリカでの留学を通して、アメリカやイギリスでの生徒の学習意欲の高さや知識の豊富さの日本の学生との違いを体験し、優秀な学生と人脈を築き多くのことを吸収できると考えた。最後に、より長い視点でどう開発協力に携わるか考えた際に、学問的にも政策的にも潮流の最先端にいるイギリスで就職することが重要であると考えた。
Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
イギリスを選んだ理由として、大学院が1年であることと開発協力の分野で定評があることが挙げられる。1年であることは金銭的にも自分の今後のキャリアを考えた際にもメリットがあると考えた。また、大学ランキングで多くのイギリスの大学が上位にランクインしており、イギリスにいることで世界トップクラスの教授陣や生徒と学べる。サセックス大学を選んだ理由は、大学院の特徴とその定評が挙げられる。特徴としてはコミュニティ参加型の国際開発の先駆者である教授たちが多く所属し、最先端の取り組みや研究が行われている。そのこともあり、開発協力の分野では世界トップにランク付けされており非常に評価されている大学院である。
Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?
高校で1年交換留学をし、大学で1年交換留学をした経緯があることもあり、家族は非常に協力的であった。また、JASSOの奨学金を使用することもでき、家族への金銭的な負担も軽減することができたためより自由に選択をすることができた。
留学の準備について
Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。
思い立ってから出発までは1年半ぐらいの期間を要した。2020年3月にコロナの影響でアメリカ留学が中断になり日本に帰国した頃から海外の大学院に進学したいと考え始めた。それから、奨学金の締め切りが早めにくるため、リサーチや準備に取り掛かり始める。同時に留学エージェントと話し合いを重ねながら志望校を絞っていき応募が開始すると同時に出願していった。奨学金の選考が進む中、1月から大学院の結果が出始める。2月にはJASSOの結果がでてより留学の現実味が増していった。4月に第一志望校であったサセックス大学から合格をもらい進学を決定。そこからは、家の手続きや勉強などを9月まで進めていった。
Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
情報は留学エージェントと知人に意見を聞きながら集めていた。サセックス大学は開発協力の分野で有名であることからネット上での情報もあったが、ブログなどが多くどこまで信憑性があるのかわからなかったこともあり、自分が実際に知っている人からの情報収集を主にしていた。エージェントは面談などを通して充実したサポートをしてくれた。
Q. 語学学習はどのように行っていましたか?
英語学習はアメリカ留学直後であったこともあり、苦労はしなかった。IELTSの勉強もあまりせず点数を取ることができた。進学を決めてからは大学院のレベルについていけるように関連の論文を英語で読んだり、予備知識を日本語でも理解できるように本を読んだりしていた。
Q. 留学(斡旋)サービスなどは利用しましたか?
使用した。無料であったことと先輩たちの評判もよかったため使用した。
Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。
JASSOの学位取得型奨学金を使用した。他にも5つほどの奨学金に手あたり次第に応募したが合格したのはJASSOのみだった。
Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。
自分でネットの記事や知り合いのアドバイスなどをもとに行った。手順は多かったが特に問題もなく進めることができた。
留学中の様子について
Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。
苦労したことは、主に勉強や課題に関連していることが多かった。やはり世界トップレベルの学校であることもあり、同級生は知識が多く経験も多様であった。そのことと英語で初めて勉強する分野であったことが重なって、議論やプレゼンテーションなどの用意には人一倍時間を費やす必要があったり、自分の意見をはっきりと表現することができないことがあった。しかし、この点はコインの表裏のようなところがあり、多くのことを議論などを通して学べたり、自分のアイデンティティや日本に関して振り返る機会が多くあったことから、人生の中でもっとも濃い時間を過ごせ学びも非常に多かった。
Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。
イギリス人の友達が多かったことから、パブなどでお酒を片手に色々なことを語りあうのが夕方の過ごし方だった。また、週末は地域のサッカーチームに所属し、プロのリーグの観戦などを通してスポーツなどに熱狂的であるイギリス文化に関わることができた。街の治安は非常によく、夜遅くまで外出することがあっても、バスは走っているし歩いて帰ることもよくあった。
Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)?
インターンをオンラインでしていた。一つは英国開発学勉強会の運営委員として勉強会の開催に携わった。もう一つは、Student Think Tank for Europe-Asia Relationsという団体の運営に携わっていた。どちらとも開発協力と関係がある分野で同じような関心を持った学生たちと携われる良い機会になった。開発の分野は特に人脈が重要視される点があり、このように人的ネットワークを広げておくことは、今後多くの貴重な機会につながると考えている。
留学後について
Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?
様々なことを学んだが、大きく分けて英語の重要性、自分のアイデンティティ、そして学ぶことへの姿勢を考え直すことを学んだ。英語の重要性といっても俗にいう4技能のことではなく、より根本的な文化的なニュアンスを理解する力や相手の意見を尊重するより能力が必要であると感じた。自分のアイデンティティとしては、日本人であることはどうことなのかという問いを多く考え直させられることがあった。今後世界で生きていく中で、常にこの問いを自分に言い聞かせて考え続けることの必要性を感じた。学ぶことへの姿勢としては、人生を通して常に自分の考え方を柔軟にもち、新しいことを吸収していくことの重要性を学んだ。
Q. 留学後の進路について教えてください。
留学後は、イギリスの現地の開発コンサルティング会社に就職した。個人的な考えとしては、開発協力の分野においては日本は政策や考え方が保守的な点が多く、イギリスやアメリカなどの企業や団体で働くことで時代の潮流の最先端で活躍できる人材になることができると考える。そのような環境でキャリアを積んでいくことで、よりインパクトの大きいプロジェクトに携わることができ、自分のスキルを磨くことができる。長期的に、日本の将来の開発協力の発展に携わりたいと考えたときに、海外でノウハウを磨き上げることで日本に大きく貢献できると考えている。
Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
留学を行うことは、つらい時と楽しい時と両方あるが、必ず人生の転換点になると言い切れる。日本を飛び出して、自分のまったく知らない土地で学びを深め、多くの新しい友人を作るなどの日本では絶対にできないことができる。そのことで、自分の価値観が壊され、多くの発見と驚きを体験し、視野を画期的に広げることができる。今激動の時代を引っ張って行く人材になるためにも、世界がどのような潮流にあって、日本はどのような立場であって、自分はどのような役割を担っていくべきかを考えることができる。是非、留学を経験してほしい。
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