都市名:ユトレヒト
学校名:ユトレヒト大学
専攻名:法学(国際法)
留学期間:2013年9月~2014年6月
留学形態:交換留学
奨学金名:つくばスカラシップ
なぜオランダに留学しようと思いましたか?他国との比較、決め手になったことなどお答えください。
国際法を専攻しており、国際法を重点的に学べる大学を基準に留学先を選んでいました。オランダは国際法の研究が盛んで、特にユトレヒト大は人権分野に非常に力を入れている大学であり、自分の勉強したいことに取組める最高の環境だと思ったので迷わず選択しました。イギリスやアメリカなど、王道の留学先も考えましたが、どうせ留学するなら少し変わった国にしてみたいという気持ちもあり、オランダを選択しました。
留学を思い立ってから実際に現地へ出発するまで何か月くらいの準備期間が必要でしたか?
日本で在籍している筑波大学に入学した当初から留学は考えていました。実際、留学先に応募するプロセスが始まったのは、渡航する10か月ほど前だったと記憶しています。準備期間は特にありませんでした。留学に行きたい明確な目標も持っていましたし、求められる語学スコアも私が留学した当時はありませんでした。(現在はオランダの国内法が変わり、外国人留学生は英語スコアの提出が必須。)具体的な書類関係の準備に時間を少々とられたくらいです。
準備期間中にいちばん大変だったこと、時間は十分だったかをお答えください。
書類関係には手間がとられました。受け入れ先の大学は留学生の受け入れにとても慣れている大学だったので、明確に指示を出してくれました。しかしそれでも、直接International Officeの方と連絡を取るときは、かなり時間に余裕をもって連絡をしなくてはいけなかったり、日本で準備する所得証明や証明写真などの準備に時間をとられたりとスムーズに進まないことはありました。
留学前にオランダ語または英語をどのように勉強しましたか?語学試験は受験しましたか?
もともと英語にはそこまで不自由していなかったので、特別な勉強はしていません。ただ、法律の専門用語になれる勉強には少し取組みました。語学試験は特に受検していません。留学の1年ほど前にもっていたTOEICのスコアを、大学内の留学生選考の際に提出したくらいです。
語学学習において、どんな勉強方法が一番効果的だと思いますか?
日本に来ている留学生とコミュニケーションをとること、海外ドラマや映画を大量に見てスピード感のある英語に慣れておくこと、などが挙げられると思います。とにかく耳から大量の英語をインプットし、自分からもアウトプットすることが大切だと個人的には考えています。
どのようにしてオランダ留学について情報収集しましたか?
以前留学していた先輩の話を中心に、情報収集をしました。毎年定期的に学生が派遣されているため、実際に行かれた先輩から現地の情報をいろいろ聞くことが出来ました。
学校へはどのような手段で連絡を取りましたか?
メールを通してコミュニケーションをとっていました。
連絡の際に困ったことはありましたか?
返事が遅いことには少々悩まされました。
出願時に提出した書類と、提出方法を具体的に教えてください。
大学の担当教授に提出した書類
・英語の成績証明書
・志望動機
・留学してから取ろうと思っている科目とその理由
・語学スコア(以前から保有しているものでも可)
出願から正式な入学許可書を受け取るまでに苦労したことはありましたか?
特に苦労はありません。担当教授からの推薦があったので、すぐに許可がおりました。
入学試験を受けましたか?またその教科や内容を教えてください。
入学試験は受けていません。
奨学金もしくは授業料減免制度の情報をどこで得ましたか?また利用するためにどんな準備や手続きをしましたか?
筑波大学では、交換留学をする学生を対象として、学内の「つくばスカラシップ」という制度があるため、この制度を利用しました。この情報は留学生センターから得ることができました。準備に関しては留学のための志望動機の提出、面接がありました。
奨学金もしくは授業料減免制度を利用した感想について教えてください。
月60,000円の補助を頂けてとても助かりました。ただ、日本円での支給だったのでレートの変動の影響を直にうけたのは少々痛かったです。
滞在許可を取得しましたか?取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点や申請から取得までにかかった時間も教えてください。
ユトレヒト市に滞在許可の申請をしました。渡航する前に受け入れ大学に全て必要書類を提出していたので、着いてから市役所にカードを取りにいきました。
留学中にかかった学費(+諸経費)の総額はおよそいくらでしたか?どのような支払方法が便利でしたか?
学費は、交換留学のためかかっていません。
その他費用の支払いは、オランダで開設した銀行口座を通じて行っていました。
学費以外の生活費の、1か月平均額または留学期間全体の金額、及び内訳を教えてください。
生活費は住居費込みで1ヶ月10万円前後だったと思います。
学費、生活費をどのように捻出しましたか?
生活費は、奨学金と実家からの仕送りでやりくりしていました。
お金をどのように管理していましたか?現地で銀行口座を作った場合、どのような手続きをしましたか?
現地で口座(Rabobank)を開設しました。受け入れ先の大学を通じて事前に登録をし、オランダについてから口座開設に行きました。
日本からの送金が必要な際、どのように送金してもらいましたか?
日本国内の銀行から国際送金をしてもらいました。
どのような保険に入っていましたか?留学先校など現地で保険の指定はありましたか?
AONの保険を指定され加入していたと思います。
日本またはオランダで予防接種・健康診断を受けた場合、その内容を教えてください。
特にありません。
現地の医療サービスを受けましたか?またその場合、気をつけるべき点があれば教えてください。
特に受けていません。
日本の授業に比べて異なる点、オランダらしいと思う特徴、受講した感想を教えてください。
講義のほかに少人数で行うチュートリアルの授業です。日本のようにゼミ形式のシステムではなく、それぞれの授業に小規模なゼミが付属しているイメージで、宿題の発表、ディスカッション、プレゼンテーション、などが求められます。非常にためになる授業が多く勉強にはなりますが、そのための下準備がとにかく大変でした。
予習・復習での工夫や苦労した点があれば教えてください。
リーディングの量がとにかく多く、一度として全てを読み終えた状態で授業を受けられたことはありませんでした。重要そうな資料にポイントをしぼり、勉強するようにしていました。
試験やエッセイ・レポート対策について、工夫や苦労した点があれば教えてください。
苦労した点は、法律の専門用語や授業の内容です。これまで国際関係学・国際法をメインに勉強していたので、民法や刑法など本格的な法学を学んだことがありませんでした。そのため、専門用語や概念で苦労することが多々ありました。工夫した点でいえば、とにかく友人と一緒に勉強する機会を多く設けて授業で拾えなかったワードや内容を教えてもらうようにしていたことです。
英語による授業または英語研修に参加した方に伺います。オランダ語は、授業・リサーチ・日常生活において必要でしたか?
オランダ語は全く必要ありません。オランダ人は英語が堪能なので日常生活から勉強からすべて、英語が話せれば済んでしまいます。(逆にいうと、オランダ語を学ぼうというモチベーションがあっても、環境的に上達することが難しいです。)
授業やレポートにおいて、語学上・学習上のサポートはありましたか?
特にありません。しかし、教授陣はとても親切でアポをとればいつでも質問にいけます。
学校の施設は充実していましたか?
図書館は非常に充実していて、カフェや食堂もついていました。
勉強する際はいつも図書館を利用していました。
学校全体やクラスで、現地の学生・外国人留学生・日本人留学生の割合、学生の年齢層はどのようでしたか?
外国人も現地の学生も半々であるという印象です。年齢層も19-24歳くらいで、いたって普通です。ただ、日本人はほとんどいません。ユトレヒト大学の法学部と交換留学協定を結んでいるのは京都大学と筑波大学のみだと聞いています。
現地の学生・外国人留学生と交流できましたか?その方法や、得られたこと、大変だったことがあれば教えてください。
交流する機会はたくさんあります。ESNという留学生の交流を促す組織がたくさんイベントを催しています。
自分がどこのコミュニティに属するのか(授業で会う友達をベースにするのか、一緒に住んでいる人たちをベースに行動するのかなど)によって様々な交流の形があると思います。
オランダ人とは、自分から積極的に機会を見つけないと関わることは難しいです。私は、オランダ人のオーケストラに唯一の外国人学生として所属していました。
日本人留学生との交流はできましたか?得られたこと、大変だったことはありましたか?
特に交流の機会はなかったですが、何度かご飯にいったり、お寿司を一緒に作ったりしました。久しぶりに日本語を話せることは非常に嬉しかったです。お互い共通の友人がいてその後の交流につながったのも良かったです。
指導教官とのやり取りでよかったこと、大変だったことはありましたか?
特にありません。いつも親切にサポートして頂き感謝しています。
普段はどのように食事をされましたか?現地の食事・飲料水・食材で苦労したこと、気をつけたことはありましたか?
自炊が基本です。外食は高いのでアパートで友人と食事を一緒に作り、とることが多かったです。スーパーで地元の食材を買って料理したり、一緒に住んでいる友人たちとインターナショナルキッチンを開催して各国の料理を楽しんだり、食事は充実していました。飲料水は水道水で十分でした。
日本の食材を手に入れることはできましたか?日本から持参すると良い食材があれば教えてください。
あまり充実はしていませんが、うどん、しょうゆ、基本的な調味料、インスタントラーメンなどは、アジアンスーパーに行けば手に入れることができます。特に持参したらよい食材はありません。その場にある食材で最大限できる日本食の調理をするのも楽しい経験です。
留学中、どんな住居に住んでいましたか?その特徴とともにお教えください。
シェアハウスに住んでいました。1フロアを12人でシェア、キッチン、トイレ、シャワーは共有です。私は個室の自分の部屋がありました。
住居を決めた際の基準や、探した方法を教えてください。
住居を決めた基準は大学と街の中心への近さです。
受け入れ先の大学から業者の斡旋がありました。
住居でトラブルはありましたか?あった場合、どのように対処しましたか?
12人で一緒に住んでいるとトラブルだらけ(清潔感に対する考え方、掃除、共有物の管理など)ですが、それを経験することも留学の醍醐味だと思って、むしろいろいろなトラブルや違いを楽しんで生活していました。
現地の治安状況についてどのように情報収集しましたか?
特に治安に関しては気にしていませんでした。安全な地域です。
居住地域の治安状況を教えて下さい。治安状況を踏まえて気をつけた点について教えてください。
とても平和です。
マリファナが許されている国ということもあり、よく心配されることはありますが、マリファナのせいで事件がおきたということは耳にしたことがありません。(物珍しがって観光客がマリファナを吸っているのが大半でした。)
犯罪に巻き込まれたことはありましたか?
ありません。
通信機器は、日本から持参されましたか?学校や居住施設での利用はいかがでしたか?
日本から全て持っていきました。日本のiPhoneはSIMロックがかかっており、現地のSIMカードを使えなかったので、いつも海外にいった時に使う国際用の携帯にオランダSIMを入れて通話用にしていました。
大学のパソコンも使うことはできますが、日本語は打ち込めません。
現地で上記の通信機器やインターネットを利用した際、機器・プロバイダの選択や手続きはどのように行いましたか?
インターネットはシェアハウスについていました。プロバイダは分かりません。
日本との気候の違いに対して心がけた点を教えてください。
ほぼ日本と同じです。私がいた時は暖冬で雪もふりませんでした。
ただ、異常に雨が多いので慣れる必要はあると思います。
現地購入できて役に立ったもの、日常品で重要なものがあればお教えください。
自転車は必須です。ユトレヒトは自転車社会なので慣れるまでに少し時間がかかります。ハンドブレーキの自転車もすくなく、フットブレーキを使わなくてはいけないです。
よく盗難にもあうので、頑丈なロックも必要です。
学校内・学校外で問題があったとき、誰に相談しましたか?
友人にまず相談して、オランダ人の友人を紹介してもらったり、自分で解決したりしました。大学に相談することももちろんできますが、私は利用しませんでした。
住居などについて支援を受けられるような学生互助会(自治会)などはありましたか?その支援を受けましたか?
特にありませんでした。
現地の人(学生に限らず)との文化的摩擦、トラブルの経験や、異文化の中で気をつかった点はありましたか?
オランダ人は悪気もなくストレートにいろいろなことを聞いてくる印象です。戦争、政治、経済、どんな問題に対してもそれなりの自分の考えを持ち、ある程度英語で話せることが大切だと実感しました。
現在の所属について、差し支えない範囲で教えてください。
2015年に筑波大学、社会・国際学群、国際総合学類を卒業し、三井住友銀行に入行します。
留学前・留学中・留学後のいつ、就職活動をされましたか?
留学中に就職活動を行いました。帰国する6月に2回、ロンドンで日本人留学生向けに開催されたキャリアフェアに参加しました。帰国後すぐに東京で開催されたキャリアフェアにも参加しました。
オランダで就職活動をされましたか?その場合、その内容や特徴、現地大学・語学学校からの支援の有無について、差し支えない範囲で教えてください。
オランダでも大学が主催するキャリアフェアに参加し、就職活動を試みましたが、修士号をもっていないことを理由に相手にされないケースが多かったです。
日本で就職活動をされましたか?その場合、その内容や留学とのかかわりを差し支えない範囲で教えてください。
日本での就職活動は、帰国後の「東京キャリアフォーラム」への参加、1回のみです。今の就職にはロンドンで参加したキャリアフォーラムからのご縁で決まりました。
留学経験は進路決定に影響しましたか?また、留学経験は現在の仕事・学業にどのようにいかされていますか?
大きく影響しました。私の就職活動の軸は、海外駐在をいかに早くさせてもらえるかということが一番の基準でした。これからの仕事は、海外チャンスが開かれていること、長い人生キャリアを考えた際に自分の強みを作れることを念頭に選びました。
日本にいる間にしておけば良かったことや、留学先にオランダを選んで良かったと思うこと、期待とは違ったことなどを踏まえて、これから留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いいたします。
オランダに留学する日本人はほとんどおらず、留学先としても人気が高くないことは分かりますが、だからこそ穴場である、ということを強調したいです。
オランダにはヨーロパ中の学生が集まってくるので、さまざまな学生と知り合いになれますし、ヨーロッパ全般に詳しくなれるのはとても貴重なことだと思います。学生の質も非常に高く、ケンブリッジやオックスフォードの学生と肩を並べて勉強することができます。
明確に何を学びたいのか、自分の留学に対する目的意識をはっきりさせ、友人との文化的衝突なトラブルをも大きな心で構えて楽しむ意識さえあれば、オランダは最高の環境です。
ヨーロッパにおけるエラスムスの留学システムは非常に確立されており、大学の受け入れ態勢も万全です。ただ、大学のシステムに甘んじることなく何でも自分で解決するという心構え、人に甘えない気持ちは常に持っていないと、何か困ったことが起きた時に周りの環境のせいにし、愚痴をこぼすことになってしまうかもしれません。
私個人としては留学先としてオランダを選んだことに非常に満足していますし、多くの素敵な友人にも恵まれ、本当に恵まれていたと思います。
留学先にオランダを選択し、私のように充実した留学をオランダで送れる日本人の学生が少しでも増えていってほしいとおもいます。
2
ndセメスターのある日の時間割
(基本的に1つのセメスターで2つの授業しかとらせてもらえません。しかし、その前後に予習・復習が入るので勉強量は日本にいるときの数倍になります。)
時限 |
月 |
火 |
水 |
木 |
1 (9時00分~10時45分) |
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Philosophy of human rights (講義) |
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International and European Labour law(チュートリアル) |
2 (11時00分~12時45分) |
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3 (13時15分~15時00分) |
International and European Labour law(講義) |
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Philosophy of human rights (チュートリアル) |
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