都市名:ロッテルダム
学校名:Erasmus University Rotterdam
専攻名:International Economics
留学期間:2013年8月~2014年7月
留学形態:交換留学
なぜオランダに留学しようと思いましたか?他国との比較、決め手になったことなどお答えください。
留学を志した理由と、Erasmus University Rotterdam(EUR)に決めた理由について書かせていただきます。
もともと、祖父母の影響で幼いころから海外に対して関心がありました。そこで、高校1年生の時にカナダのペンティクトンという田舎町に2週間のホームステイをしたのですが、当時の私の拙い英語では、会話が全く成り立たず非常に悔しい思いをしました。「外国人と英語で対等に議論できるようになりたい」と思い、費用面を考慮して、大学入学後に交換留学プログラムに申し込むことを決意しました。
そして、以下の3つの理由から、EURに応募することにしました。
- 日本人が少ないところに行きたい。
「英語をしゃべれるようになりたい」というと、多くの日本人学生はアメリカやイギリスなど、英語が母国語の国に留学しがちであるという印象を受けます。そのような国に留学しても、日本人コミュニティの中に入り、結局日本語だけの生活に陥ってしまうと考えていました。
一方でオランダは、日本人の留学生が非常に少なく、オランダ人は、母国語であるオランダ語並みに、英語にも堪能であるため、英語を身に付ける上で非常にいい環境だと考えました。
2. 移民問題の実情を、自分の目で確かめたい。
当時私は、移民問題について興味があり、労働問題を扱うゼミにも所属しておりました。しかし日本では、移民をほとんど受け入れておらず、理論上学ぶだけに過ぎないと感じました。そこで、移民を多く受け入れているオランダに行くことで、移民による問題を自分の目で確かめたいと思っていました。
3. 経済学で有名な大学に行きたい。
海外の経済学部生はどのような勉強をしているのか、という単純な疑問から、経済学部が有名な大学に行きたいと考えていました。
留学を思い立ってから実際に現地へ出発するまで何か月くらいの準備期間が必要でしたか?
12か月
準備期間中にいちばん大変だったこと、時間は十分だったかをお答えください。
オランダ滞在時の居住先を探すこと。
大学が提供する寮への申し込みが間に合わず、自分自身で現地仲介業者と連絡を取り合うなど様々な手続きを経ることになってしまいました。
出国直前まで居住先が決まらなかったため、時間的余裕はなかったです。早めに居住先を決定することが大切です。
留学前にオランダ語または英語をどのように勉強しましたか?語学試験は受験しましたか?
<オランダ語>
勉強していません。99.9%のオランダ人は英語を話せると事前に聞いていたため、オランダ語を学ぶ必要はないと判断したからです。
<英語>
以下の順番で勉強しました。
(1) 交換留学プログラムに申し込むために必要な、IELTSの基準スコアを獲得するための「学問」としての英語の勉強。短期間に集中して勉強することで、英語に関する知識を増やしました。
(2) 外国人と難なくコミュニケーションを図るための、「会話手段」としての英語の勉強。(1)でインプットを完了しても、アウトプットをしないと、英語は身につかないと考え、大学の国際交流プログラムに参加して、慶應義塾大学に来ている留学生と英語で会話をする機会を作りました。また、すべて英語で行われる大学のゼミにも所属して、議論する力を身に着けようと努めました。
語学学習において、どんな勉強方法が一番効果的だと思いますか?
最初に、発音を矯正することだと思います。その言語に対する抵抗感がなくなり、もっと勉強したいというモチベーションにつながります。
どのようにしてオランダ留学について情報収集しましたか?
インターネットのブログ、オランダに留学していた先輩方からの話
学校へはどのような手段で連絡を取りましたか?また、具体的な質問内容を差支えない範囲で教えてください。
現地学校と直接メールをして、連絡を取り合いました。支払能力証明のために、大学に送金する必要があったので、その方法について伺いました。
連絡の際に困ったことはありましたか?
特にありません。
出願時に提出した書類と、提出方法を具体的に教えてください。
<提出した書類>
交換留学プログラムに提出した時と同じ応募書類、居住許可証発行に必要な証明写真
<提出方法>
郵送
出願から正式な入学許可書を受け取るまでに苦労したことはありましたか?それをどのように解決しましたか?
特にありません。
滞在許可を取得しましたか?取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点や申請から取得までにかかった時間も教えてください。
Student Residence Permitと呼ばれる居住許可証を取得しました。
取得のため、以下の5つの書類を用意しました。
ヨーロッパ居住許可証(Residence Permit Statement for EUR)
オランダ居住許可証申請フォーム(Residence Permit Application form for IND)
パスポート写真(Passport Picture)
パスポート写真フォーム(Passport Photo Form)
パスポート写し(Passport Copy)
これらをすべて、郵送で送ります。その際、基準に見合うパスポート写真の撮影に苦労しました。パスポート写真を取っては郵送し、というプロセスを3回くらい繰り返したため、居住許可証を得るのに3か月程かかりました。
留学中にかかった学費(+諸経費)の総額はおよそいくらでしたか?どのような支払方法が便利でしたか?
交換留学であったため、現地大学に対して学費は支払っておりません。
学費以外の生活費の、1か月平均額または留学期間全体の金額、及び内訳を教えてください。
一か月平均
住居費:650ユーロ
食費:250ユーロ
娯楽費:120ユーロ
学費、生活費をどのように捻出しましたか?
- 留学前にアルバイトを集中して行い貯金を作りました。
- 両親にお金を負担してもらいました。
お金をどのように管理していましたか?現地で銀行口座を作った場合、どのような手続きをしましたか?
現地の銀行(ING Bank)を利用しました。銀行口座を作成するため、居住許可証、入学許可書を、居住先に一番近いING Bankの支店に持ち込みました。
日本からの送金が必要な際、どのように送金してもらいましたか?
日本の銀行に入金してもらい、現地のATMで送金額を引き出しました。
どのような保険に入っていましたか?留学先校など現地で保険の指定はありましたか?
日本の保険会社の海外留学保険(18万円)に入っていました。
留学先校からの保険指定はありません。
日本またはオランダで予防接種・健康診断を受けた場合、その内容を教えてください。
特に受けていません。
現地の医療サービスを受けましたか?またその場合、気をつけるべき点があれば教えてください。
特に受けていません。
日本の授業に比べて異なる点、オランダらしいと思う特徴、受講した感想を教えてください。
- 多様性にあふれている点。ヨーロッパに位置し移民が非常に多いので、様々な国籍の学生がいることはもちろん、教授も非常に多様です。私の場合、第2ターム目だけで、ドイツ・ロシア・オランダ・中国と、国籍がそれぞれ異なる4人の教授達から指導を受け、様々な価値観や英語のアクセントに触れることができました。
- 学生の主体性を高める授業が多い点。授業の一環として、3人1組のグループを学生に作らせ、それぞれのグループに起業を促す授業もあるほど、大学側が学生の主体性を刺激していました。
予習・復習での工夫や苦労した点があれば教えてください。
苦労した点:予習しても、教科書に書いている内容が頭に入らなかったこと。
その原因を、教科書の内容が専門的で、いちいち辞書で単語の意味を確認していたので、文章同士を関連付けて流れるように理解することができなかったためだと考えました。そこで、(1)何週も教科書を読む、(2)同じ授業を取っていた学生たちと教科書の内容について語り合う、この2点をすることで、教科書の内容を整理して、流れるように理解できるように工夫しました。
試験やエッセイ・レポート対策について、工夫や苦労した点があれば教えてください。
苦労した点:ほとんどがライティングの試験だったため、細かい言い回しまで覚えきれなかったこと。
そこで、文章の構成に注意して回答を作成するように努めました。
英語による授業または英語研修に参加した方に伺います。オランダ語は、授業・リサーチ・日常生活において必要でしたか?
必要ではありませんでした。
授業やレポートにおいて、語学上・学習上のサポートはありましたか?
英語のネイティブスピーカーの友人達に、授業内容をたびたび教えて貰いました。
学校の施設は充実していましたか?
キャンパス内に何か所もカフェがあるため、勉強の気分転換をしやすいです。
また、友人たちとキャンパス内のジムにも行き、身体を動かすようにしていました。
学校全体やクラスで、現地の学生・外国人留学生・日本人留学生の割合、学生の年齢層はどのようでしたか?
現地の学生:外国人留学生:日本人留学生=6:4:0
ヨーロッパの大学の中でも、EURの経済学部・経営学部は非常に有名であるため、各国から留学生が学びに来ます。しかし一方で、私含めて2人しか、日本人学生はいませんでした。
年齢層は、日本の大学よりも1~2歳高い印象です。オランダでは高校卒業後に、ギャップイヤーを取得できるようで、そのギャップイヤーで世界旅行やインターンを行い、1年後に大学に入学するという人が多いようです。
現地の学生・外国人留学生と交流できましたか?その方法や、得られたこと、大変だったことがあれば教えてください。
交流できました。その方法については下記の通りです。
<現地の学生>
各科目の初回の授業で、オランダ人の隣に座り、積極的に話しかける。
オランダ人が好きなスポーツ(サッカー、アイススケートなど)のイベントに参加する。
<外国人留学生>
留学生向けに現地の学生団体が開くイベントに参加する。
外国人留学生と交流するほうが容易です。移民が多く英語に堪能なオランダ人といえども、オランダ人同士ではオランダ語で会話し、自分たちの価値観というものを共有しています。笑いのツボや考え方が異なり、グループの輪に入ることはなかなかできません。
日本人留学生との交流はできましたか?得られたこと、大変だったことはありましたか?
他の都市に来ていた日本人留学生と交流しました。
そのため、各都市の大学の違いを知り、他大学の現地学生とも交流することができました。
指導教官とのやり取りでよかったこと、大変だったことはありましたか?
プレゼンテーション方法まで指導してくれたこと。
外国人学生の多いEURで指導していることもあり、アクセントのある英語を上手くカバーするプレゼンテーション方法を熱心に教えてくれました。
普段はどのように食事をされましたか?現地の食事・飲料水・食材で苦労したこと、気をつけたことはありましたか?
外食は非常に高いので、自炊をしていました。
オランダでは、1つの商品のパッケージが大きいので、短期間で使いきれない食材が多いです。そのため、パスタなど保存出来る食材を中心に買っていました。
日本の食材を手に入れることはできましたか?日本から持参すると良い食材があれば教えてください。
非常に難しかったです。しかし、同じ風味や食感の食材は、オリエンタルスーパーマーケットで手に入るので、料理には困りません。
日本から持参する際、食材ではありませんが、緑茶のティーバックを持っていくと便利です。自分の肌感覚ですが、ヨーロッパに集まる学生たちはお茶を飲むことが好きな印象を受けました。私自身も、寮の部屋が近い6人くらいでティーパーティーを夜の9時からしていました。日本の文化を教えるためには緑茶は必須だと思います。
留学中、どんな住居に住んでいましたか?その特徴とともにお教えください。
- アパートの1フロア(4か月):大家の所持する一軒家の、3階に住んでいました。
- 大学キャンパス内の寮(4か月):キッチン・バスルームを3人でシェア。
- 友人の家(4か月)
住居を決めた際の基準や、探した方法を教えてください。
- 家周辺の治安
- 大学からの近さ
現地仲介業者に直接連絡を取りました。
住居でトラブルはありましたか?あった場合、どのように対処しましたか?
1つ目の住居で、部屋の修繕費用を巡り大家と揉めたことがあります。
法律を専攻しているオランダ人の友人に相談し、オランダの住居契約についてアドバイスをもらいました。
現地の治安状況についてどのように情報収集しましたか?
同大学に留学していた先輩方の留学報告書を参照しました。
居住地域の治安状況を教えて下さい。治安状況を踏まえて気をつけた点について教えてください。
大学から徒歩5分のところに位置していたので、治安は非常に良かったです。
犯罪に巻き込まれたことはありましたか?
特にありません。
通信機器は、日本から持参されましたか?学校や居住施設での利用はいかがでしたか?
PCとiPhone(契約解約済み)を持参しました。現地ではWi-Fiを使って利用しました。
しかし、諸手続などで携帯番号が必要だったため、オランダに到着後、現地の友人から携帯電話を譲り受けました。
現地で上記の通信機器やインターネットを利用した際、機器・プロバイダの選択や手続きはどのように行いましたか?
プリペイド式のSIMカードを、現地の家電量販店で購入しました。
日本との気候の違いに対して心がけた点を教えてください。
コート類は日本から持参し、現地ではそれ以外の服、とりわけキャップ・フード付きの服を購入するようにしました。
というのも、コートなどの、値段が張るような品物に関しては日本のほうが品質が良いと考えたからです。また、オランダは一日のうちに天気が何度も変化するので、いざというときの雨対策として、キャップ・フード付きの服を購入するようにしました。実際、雨が降ったとしてもオランダ人は傘をほとんど使いません。
現地購入できて役に立ったもの、日常品で重要なものがあればお教えください。
自転車、湯沸しケトル
学校内・学校外で問題があったとき、誰に相談しましたか?
学校内のことは外国人交換留学生を頼りました。というのも、同じ境遇に直面していることが多いためです。とりわけ、履修申請の方法について相談しました。
一方、学校外では、オランダ人学生を頼ることが多かったです。
住居などについて支援を受けられるような学生互助会(自治会)などはありましたか?その支援を受けましたか?
特にありません。
現地の人との文化的摩擦、トラブルの経験や、異文化の中で気をつかった点はありましたか?
「日本を代表している」という気概をもって周囲と接するようにしました。周りに日本人がいなかったため、私の発言=日本の発言だと捉えられることが多かったからです。
現在の所属について、差し支えない範囲で教えてください。
経済学部の3年生として慶應義塾大学に戻りました。
留学前・留学中・留学後のいつ、就職活動をされましたか?
留学後。留学中は、大学での勉強や課外活動に集中したかったため。
オランダで就職活動をされましたか?
行っていません。
日本で就職活動をされましたか?その場合、その内容や留学とのかかわりを差し支えない範囲で教えてください。
日本の学生が行う就職活動に加えて、バイリンガル用のキャリアフォーラムなどに参加しました。
留学経験は進路決定に影響しましたか?また、留学経験は現在の仕事・学業にどのようにいかされていますか?
影響しています。選択肢が広がりました。
留学を通して学んだ、多様な視点から物事を考える力、自分の意見を論理立てて発信する力などが、現在の学業に活きています。
日本にいる間にしておけば良かったことや、留学先にオランダを選んで良かったと思うこと、期待とは違ったことなどを踏まえて、これから留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いいたします。
留学は十人十色、楽しいことばかりではありません。しかし、ブレない目的を持っていれば辛いことも乗り切れます。なので、なぜ留学したいのかしっかりと考えてください。その目的の中に、「多様性に触れる」「自分で何かを作り上げる」という項目があれば、EURへの留学も考えてみてください。
(※覚えている範囲で記載していただきました)
時限 |
火 |
木 |
金 |
1 (9時00分~10時45分) |
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Presentation |
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2 (11時00分~12時45分) |
Stock Pricing and Corporate Events |
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Financial Method and Techniques |
3 (13時00分~14時45分) |
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4 (15時00分~16時45分) |
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Finance2 |
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