留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

ギリシャは、欧州、アジア、アフリカの三大陸が交わる場所に位置しており、山がちな半島状の本土はバルカン半島の最南端にあって、地中海に突き出ています。複雑に入り組んだ海岸線と無数の島々を有することから、ギリシャは全長1万3,676キロの世界で11番目に長い海岸線を誇っています。本土を取り囲む海にはおよそ6,000もの大小の島々が浮かび、人が住んでいるのはそのうち227島です。
古代に遡る豊かな歴史を有するギリシャは、広く「西洋文明のゆりかご」として知られています。現在も私たちの生活を規定し豊かにする、政治や哲学、科学における重要な思想や発明の誕生の地であることから、ギリシャでは過去と現在を結ぶ貴重な経験を得ることができるでしょう。ギリシャ人のホスピタリティと温暖な気候により、外国人学生もすぐに現地での生活に馴染むことができるはずです。

ギリシャの高等教育は、大学教育と技術(専門)教育に分かれています。
  • 大学教育
    大学教育制度は、大学(universities)、工科大学(polytechnics)、美術大学(Higher Fine Arts Institute)、オープン大学(Greek Open University)から構成されています。ギリシャは全国各地に22の国公立大学があります。大学は基本的に4年制です。1学年は2学期制で、授業は13週間、試験期間は3週間です。学科をすべて履修した学生は、学位(学部によりディグリーまたはディプロマ)を授与されます。
  • 技術(専門)教育
    術教育機関(TEI)では科学的データを製造工程に応用することに重点を置いています。コース内容は、大学よりも実務的なものとなっています。学習期間は4年で、最終学期には学生は希望する職業の職場体験をして、評価を受けることができます。TEI では、グラフィックアートおよび美術研究、経営・経済、ヘルスケア、応用技術、食品技術・栄養、農業技術、音楽技術の専門分野を学ぶことができます。
  • 高等職業訓練
    ギリシャの高等教育には上記のほかに、宗教、芸術、観光、軍事、公安の分野の職業訓練を提供するさまざまな教育機関があります。
特定の分野の専門性を高めることを目標とし、ギリシャの大学では合計213、オープン大学では10の修士課程が用意されています。修士課程を修了した学生は修士号を授与されます。修士課程の対象は大学またはTEI を卒業した者で、入学資格審査または口頭・筆記試験の結果を基に選抜されます。入学希望者には少なくとも外国語1言語の知識が求められます。コースの期間は最低1年です。
博士課程では博士号の取得を目指します。博士課程の一般的目標は、戦略的分野における高度な専門知識を有する研究者の養成と、国の科学基盤の強化を目的とした、さまざまな学術分野における基礎研究の促進にあります。大学院を併設する大学の場合、博士号を取得するには修士学位を取得していることが条件となっています。大学院のない大学では、一定の条件を満たした学生に博士論文執筆の許可が与えられます。入学条件は各研究科が定めます。

各大学およびTEI の学部・学科ごとの定員は、毎年ギリシャ教育・学術・宗教省(Ministry of Education, Research and Religious Affairs) が定めます。高等教育機関に入学する基本条件として、高校卒業証明書の取得があります。外国人学生の場合は、希望する学部・学科への入学申請をギリシャ教育・学術・宗教省に提出し、当該国の卒業証明試験の成績に基づいて入学を許可されます。

国公立大学の授業料は基本的に無料ですが、オープン大学(Greek Open University) における特定の課程や専攻など、一部例外があります。欧州連合(EU)域外の国の外国人学生(非EU 学生)は、授業料と支給される教科書類にかかる費用の一部を負担します。

主として大学院教育や博士課程後の研究あるいはギリシャ語・ギリシャ文明を専攻する外国人学生に奨学金を給付しています。申請は自国のギリシャ大使館・領事館等を通して提出します。詳しくは以下のウェブサイトをご覧ください。

ギリシャで大学院教育や博士課程後の研究を行う外国人、および現代ギリシャ語・文化のセミナー参加者に奨学金を給付しています。大学院教育や博士課程後の研究のための奨学金プログラムは毎年1月または2月に発表されます。奨学金の対象は、次の国の国籍を持つ外国人(ギリシャ系の外国人を含む)です―(a) EU 加盟国、アイスランド、ノルウェー、スイス、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、( b) バルカン諸国、中・東欧諸国(EU非加盟国)、アジア諸国、アフリカ諸国、中南米諸国―。現代ギリシャ語・文化セミナー参加者のためのプログラムの対象は、外国の大学を人文科学系を卒業し、欧州、北米・南米、アジア、アフリカ、オセアニア諸国の国籍を持つ者となります。詳しくは以下のウェブサイトをご覧ください。

非政府機関もさまざまな奨学金を給付しています。例えば、オナシス財団(Alexander S. Onassis Public Benefit Foundation)は研究助成金および教育奨学金を給付しています。対象となるのは、ギリシャ国籍者を除く各国の国立アカデミー正会員、全等級の大学教授(博士号所持者)、大学研究者(博士号所持者)、芸術家、外国語としてのギリシャ語を教える初等・中等教育の教師、修士課程の学生、博士課程の学生です。詳しくは以下のウェブサイトをご覧ください。

(一部転載: Study in Europe 欧州留学ガイド 2019.5 )

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。